「地域の切り捨てにつながるような政策は許されない。」当然のことです。多国籍企業と輸出大手企業の製造品と引き換えに、農業製品など輸入関税を撤廃する。こんなことが許されるはずがありません。日本国民の多くが住む地方は首都圏を比較しても比較にならないくらい大きな面積と割合を持っています。地方創生と称しながら、やっていることは地方いじめと地方の切り捨てのみです。本当に安倍、山口、自公政権のでたらめには腹が立ちます。
日本経済を支えているのは日本国民であり、その国民の消費です。だからこそ、人口減少が経済成長、景気に直接的な影響を与えているのです。その人口構造がどんどん高齢化し、貧困化して日本社会の未来に展望がなくなるのは誰が考えても分かることです。
「攻めの農業」――あほなことを言うなです。農業の現場を見てそんなことを考え、言えるか!考えたら分かることです。価格低迷、後継者不足の根底には収入があまりにも少なく、肉体労働の厳しさを勘案した収入得られないからです。
食料の安全確保は国家にとっての最重要課題であり、経済問題として論じていること自身が亡国なのです。安倍の知能レベルでは考えらないのかもしれませんが。第一次産業の従事者、多くの地方の痛みを考えられない政権は退陣するしかありません。
<信濃毎日社説>関税撤廃 影響を精査して説明を
影響の大きさをあらためて実感する。大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)で関税が撤廃される農林水産物の数である。
これまではコメの無関税輸入枠新設や牛肉・豚肉の関税引き下げなどが明らかになっていた。それに加え、現在関税を設定している834品目のうち、約半数で関税が撤廃される。
TPPは関税の撤廃が原則で、対象は広範囲に及ぶ。現時点では国産品と品質的に競合しなくても、関税が撤廃されれば、外国が日本向けの品種を栽培して輸出してくる可能性もある。
政府は大筋合意まで交渉の状況を一切公開しなかった。生産者や関係団体の不安や戸惑いは大きいだろう。
政府は一つ一つの品目について、どんな影響が出るのか精査して、国民に説明するべきだ。その上で必要な対策を、生産者を交えて検討していく必要がある。
県内で生産が盛んな農作物のうち、関税撤廃の影響が特に懸念されるのは加工用トマトだ。全国の3分の1ほどの生産量を占め、中小規模の家族経営の農家が中心だ。県内の中山間地農業を支える作物の一つにもなっている。
TPPの発効後、トマトケチャップやジュースなど輸入加工品の関税は、現在の17~29.8%が6~11年目に段階的に廃止される。
加工品の現在の国内生産量は約30万トンで、輸入量は26万トン。TPP参加国からの輸入は米国やチリなど5万トンある。関税撤廃後に参加国から輸入が増えるのは避けられないだろう。
県内の加工用トマトの生産者はここ数年、高齢化に伴って減少しつつある。加工品の輸入量増加でトマトの単価が下がると、生産縮小が加速しかねない。中山間地の衰退にも直結する。生産継続、拡大につながる対策を早急に打ち出す必要がある。
このほか、現在17%のリンゴの関税は11年目に撤廃、7.8~17%のブドウは即時撤廃される。いずれも影響は見通せない。十分に検証するべきだ。
政府はきのう、全閣僚によるTPPの総合対策本部を発足させた。安倍晋三首相は新市場の開拓、技術革新の促進など三つの基本方針を提示し、「攻めの農業に転換する」と強調した。
首相の視界には、規模拡大や技術革新が難しくても、地道に地域を支える加工用トマトのような農作物は入っているのだろうか。地域の切り捨てにつながるような政策は許されない。