“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

参議院選挙 TPP批准阻止と農業 

2016年07月05日 12時00分00秒 | 臼蔵の呟き

政治経済のグローバル化だから、農業、医療、保険などもグローバル化すべきだ。―――この理屈が本当に正当なのでしょうか。食料自給率が100%国家と自給率が50%以下の国が対等に農業政策を共有できないことは誰が考えても当たり前のことです。一時期、自給率の低い国が国外に、主食などの生産地を国として確保することが報告されたことがあります。

国が主権を確保し、主体性を保つためには、食料、エネルギーなどの自給率を高めることは同義です。そんな簡単理屈を検討もせずに、多国籍企業、輸出大手企業、アメリカ政権の要求に屈して、売り渡す安倍、山口自公政権が国家を語る資格などあろうはずもありません。

また、農業の国際競争力を語る彼らの間違いは、すべての産業が輸出、成長力、収益性で測ることに正当性があるかどうかそのことも問われなければなりません。地方再生と農業破壊は正反対の政策です。本当に彼らの身勝手で、一次産業を馬鹿にし、愚弄した態度には辟易します。

<北海道新聞社説>2016年参議院選挙 TPPと農業 問題見極め議論尽くせ

 環太平洋連携協定(TPP)は、関税撤廃や大幅引き下げによる農業への打撃をはじめ国民生活に広く影響を与える可能性が高い。

 参院選は、昨年10月の大筋合意以降、初の全国規模の国政選挙である。

 TPPは、米国でも反対論が強まるなど問題の多い協定だ。どんな長所、欠点があるのか。各党は選挙戦で深掘りし、有権者に選択肢を示してほしい。

 大筋合意では、国会決議で関税維持を求めたコメや乳製品をはじめ、重要5農産物の品目の3割で関税撤廃が決まった。決議に反する疑いが強い。

 自民、公明両党は参院選の公約で、経営支援などTPP対策を講じれば農業の発展を図れるとし、海外市場の取り込みによる経済成長という利点を強調している。しかし、そうなのか。協定には米国など農産物輸出国との再協議が定められ、さらなる関税撤廃を迫られる恐れがある。将来にわたって農業を守ることができるとは言い切れまい。

 野党の民進党は、重要農産物の聖域が守られていないとして、今回の合意に反対している。ところが、TPP自体の評価を避けている。そこが不可解だ。

 農業への影響にとどまらず、貿易や投資分野でグローバル企業に有利なルールがつくられ、食品の安全規制などがゆがめられる懸念も指摘される。民進党はTPPの是非を正面から論じるべきだ。

 共産党、社民党などはTPP反対を鮮明にしている。とはいえ、日本経済が自由な貿易なしに成り立たない以上、どんなルールが望ましいのか、語るべきだ。

 それにしても、先の通常国会での政府の対応には首をかしげざるを得なかった。

 交渉経緯などの情報を伏せる一方、貿易や投資の拡大で実質国内総生産(GDP)を2.59%押し上げるとの試算を示した。だが、裏付けに乏しく、楽観的すぎる。

 実際、米国際貿易委員会は2032年までの押し上げ効果を0・15%と慎重な見方を示している。

 だから、米大統領選では雇用悪化への懸念などから民主党のクリントン氏、共和党のトランプ氏ともTPPに後ろ向きなのだ。

 TPP承認案と関連法案は、秋の臨時国会に向けて継続審議となった。さまざまな不安や疑問点は解消されていない。

 承認をめぐり、拙速な判断をしてはならないのは当然だ。


憲法改正  参議院選挙 争点隠しせず論戦を

2016年07月05日 10時04分38秒 | 臼蔵の呟き

「立憲主義を揺るがすとの批判を浴びた法規範の大幅変更は、いずれも直前の国政選挙で主要争点にならなかった。」

「安倍首相は、選挙期間中は有権者が反発しそうな政策の争点化を避け、選挙に勝つと数の力で押し切るやり方を繰り返してきた。」
 憲法改正の是非は、日本の行く末に決定的な影響を与える。研ぎ澄まされた目で1票を行使したい。

安保闘争で、国民の反対を押し切り、多くの国民と民主勢力の運動を見て、―――当時の自民党政権、自民党中枢――岸、池田などなどが改憲、安保条約締結による日本の政治経済、軍事構造の改悪を推進するためにはーーー経済問題で国民を懐柔することを強く感じたとーー大学生、高校生の就職率の改善、所得の倍増などをスローガン化して自民党の改憲、日本の再軍備とアメリカとの共同軍事行動を隠蔽しようとしました。―――先日のNHK深夜番組でそのことが報道されていました。

安倍、山口自公政権の本質は、改憲、戦争する国づくりーーその総仕上げとしての憲法の明文改憲、九条の削除と日本軍の創設=交戦権の憲法上の明記です。

あれこれの政策とは全く次元が異なる確信的な政治課題です。その内容をまったく国政選挙で問うこともなく、隠蔽し、選挙結果が出た後でーーー自民党、公明党は信任されたとしてーー白紙委任を得たかの政権運営を強行する。こんなことを繰り返させてはなりません。

<琉球新報社説>憲法改正参議院選挙 争点隠しせず是非を問え

 10日に投開票される参院選で、国の在り方に直結する憲法改正を巡る論戦が低調である。安倍政権が争点化を避けているからだ。

 与党の自公両党は衆院で3分の2の議席を占めている。自民党総裁である安倍晋三首相が目指す改憲への賛同勢力が、参院でも国会発議に必要な3分の2(162議席)を獲得するかが、参院選の焦点だ。安倍首相の悲願である改憲の照準は、戦争放棄をうたう9条の改正に定められているだろう。
 2013年7月の参院選後、安倍政権は特定秘密保護法を制定し、集団的自衛権の行使を容認した。14年12月の衆院選後の15年9月には安保関連法(いわゆる戦争法)を成立させた。
 立憲主義を揺るがすとの批判を浴びた法規範の大幅変更は、いずれも直前の国政選挙で主要争点にならなかった。
 安倍首相は、選挙期間中は有権者が反発しそうな政策の争点化を避け、選挙に勝つと数の力で押し切るやり方を繰り返してきた。
 参院選後、首相が一気に改憲に突き進む疑念は拭えない。

 改憲について、安倍首相は年頭会見で「参院選でしっかり訴える」と述べ、18年9月までの自民党総裁の「在任中に成し遂げたい」と強い意欲を示していた。
 ところが、参院選公示後、「最大の争点は経済政策だ」と訴え、アベノミクスの成果を前面に押し出している。「票にならない」として改憲論議を封印する戦術は「争点隠し」の批判を免れない。
 「安倍政治」に審判を下す上で、改憲は重要な要素だ。各政党と候補者は正面からその是非を訴えるべきだ。頬かむりは許されない。
 安倍首相を含め、自民党内には大規模災害や他国から攻撃を受けた際、権力を内閣に集中させる緊急事態条項創設を改憲への一里塚にしようとする見解がある。だが、東日本大震災の被災3県の知事と市町村長計42人のうち、9割超が緊急事態条項の必要性を認めていない事実は重い。
 辺野古新基地建設を巡り、安倍政権は埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の権限剥奪を狙った代執行訴訟を起こした。政権の思惑が外れる和解に至ったが、憲法が定める地方自治を掘り崩しかねない強権的手法も憲法との関連で厳しく問われよう。

 改憲の是非は、この国の行く末に決定的な影響を与える。研ぎ澄まされた目で1票を行使したい。


参議院選挙でアベ化する世界に終止符を

2016年07月05日 05時30分03秒 | 臼蔵の呟き

この参議院選挙では、日本と日本人がどこまで知性と品性を保っているかが問われる。本当にその通りです。 

<山口二郎教授>アベ化する世界 東京新聞5月15日

 いま世界にアベ的権力者という妖怪が増殖している。世界はアベ化しているというべきか。この妖怪には以下のような特徴がある。第1に、自己愛がきわめて強く、自分を正しい、美しいと思い込む。第2に、自己愛の裏返しで、自分に対する批判や責任追及に対しては一切耳を閉ざし、欠点を是正するという意欲を持たない。第3に、自己愛の過剰ゆえに、自分を攻撃するものに対して過度に攻撃的になる。第4に、自分が敵とみなす者を攻撃する際には、嘘、捏造も平気で行い、虚偽の主張が明らかになっても恥じることがない。  もちろん、日本はアベ化の先頭を走っている国だが、米国では同じような特徴を備えたドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補になることが事実上決まった。フランスでは、移民排斥を唱える極右政党国民戦線の幹部が、日本の新聞のインタビューに答えて、日本の自民党こそ自分たちの手本だと語った。民主政治の伝統を持っている国でも、人々の欲求不満に付け込んで、庶民の自己愛をくすぐり、デマで敵に対する憎悪をあおる政治家が台頭している。  

アベ化を防ぐには、事実に基づく議論をすること、自分自身を的確に認識して、長所と短所をバランスよく評価することが必要である。この夏の選挙では、日本人がどこまで知性と品性を保っているかが問われる。