“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

沖縄ヘリパット着陸帯工事再開 安倍政治の本質

2016年07月20日 10時37分52秒 | 臼蔵の呟き

「民家からわずか400メートルの場所にオスプレイの着陸帯を建設することが「県民の負担軽減」になるのか。真の負担軽減は着陸帯を造らず、やんばるの森を地域に返すことである。」

沖縄基地問題は、日本とアメリカの関係、安倍、山口自公政権の基本的政治姿勢に関する試金石です。

まず第一に、アメリカ政府とアメリカ軍の要求に沿うだけで、全く日本国民、沖縄県民の負担軽減、要求、声を取り上げ、交渉しようとしないこと。安倍、自民党政治の本質です。安全保障、原子力政策、TPP協定、経済関係におけるすべてに共通する屈辱的な姿勢です。

第二に、多国籍企業、大手企業、富裕層の利益と声以外の圧倒的多数の国民の利益、声は徹底して無視する。沖縄普天間基地撤去、辺野古への移設工事強行はそのことを明確に物語っています。したがって、この政治案件で見せる彼らの本音は、沖縄問題ではなく、日本における政治課題の本質をむき出しの形で示す案件となっています。

第三に、沖縄米軍基地問題は、中国などの敵視と密接不可分である点です。尖閣、南沙諸島問題で安倍自公政権がとる発言がそのことをよく示しています。これらを使って、日本が戦争できる国への転換、最終的には憲法の改悪,9条の改定、明確な日本軍創設に突き進む。そのことに最大限利用する。この点でも沖縄問題ではなく、日本全体の政治問題であることが分かります。安倍、自公政権にとって、沖縄県民の命、まして、騒音などは全く問題ともなりません。

<琉球新報社説>着陸帯工事再開 負担軽減にはならない

 政府は米軍北部訓練場の一部返還の条件として建設するヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の工事を近く再開する。住民の反対を抑え込んで工事を強行し、「沖縄の負担軽減」と胸を張るつもりなのだろうか。

 着陸帯の建設は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた。訓練場7513ヘクタールのうち3987ヘクタールを返還する代わりに、残余の部分に着陸帯を建設するというものだ。
 防衛省は全6着陸帯の完成後に米軍に提供する予定だったが、残り4カ所の計画に遅れが生じたことから2015年2月にN4地区の2カ所を先行提供した。
 N4は東村高江集落に最も近い。そこでMV22オスプレイが盛んに離着陸訓練し、ブロック片をつり下げての飛行訓練まで行っている。
 今年6月中旬からは連日、夜間まで離着陸を繰り返し、20日には午後10時すぎに最大99・3デシベルの騒音が確認されている。100デシベルのうるささは「電車が通るときのガード下」と表現される。
 東村では児童生徒が夜間飛行の騒音の影響で睡眠不足となり、学校を欠席する事態が起きている。村議会はN4の使用禁止を求める決議を全会一致で可決したが、米軍は決議翌日に離着陸を強行している。
 そもそもN4の環境影響評価(アセスメント)にオスプレイの運用は想定されていない。高江小中学校で観測されたオスプレイの低周波音は環境影響評価の「心理的影響」や環境省が設定した「物的影響」の基準となる閾値(いきち)を上回っている。前提の違う欠陥アセスだ。
 北部訓練場を除く地域は8月以降、「やんばる国立公園」に指定される。北部訓練場が返還されれば国立公園に組み入れられる可能性はある。しかし、上空をオスプレイが飛び交い、騒音をまき散らす基地と背中合わせの森が、北部3村の悲願である世界自然遺産指定を阻むことになりはしないか。
 SACO最終報告の冒頭にはこう書いてある。「(日米)両国政府は、沖縄県民の負担を軽減し、それにより日米同盟関係を強化する」。民家からわずか400メートルの場所にオスプレイの着陸帯を建設することが「県民の負担軽減」になるのか。真の負担軽減は着陸帯を造らず、やんばるの森を地域に返すことである。


トルコ政権は粛清を止め政治的融和を

2016年07月20日 09時34分57秒 | 臼蔵の呟き

「反対勢力一掃によって、一時的にはエルドアン体制は強固になるだろう。だが、時計の針を戻すような政権運営は矛盾をはらむ。いったん民主化を知った国民は、不満を募らせるだろう。」

 民主主義政治を根底から否定する軍事クーデターはいかなる理由があろうとも容認できません。しかし、そのような政治不安を作り出す独裁政治、強権政治が問われています。現トルコ政府の政治に批判的な勢力を今回の事件を使って、一掃する。そんなことがまかり通れば、政治不安、社会的不安が一層増幅し、さらなる政治混乱をきたすこととなるでしょう。

 中東における内戦、軍事衝突がシリア、イラク、トルコに大きな影響、ストレスを与え続けています。その原因を作ったアメリカ、イギリス、日本、関連諸国は自国の利益追求に狂奔せず、中東情勢の安定のために貢献すべきです。その道は、テロの温床となる容認を平和的に除去することであり、空爆、武力による介入は自制すべきです。人種差別、宗派対立、資源収奪を止めなければなりません。 

<東京新聞社説>クーデター未遂 粛清よりも融和を図れ

 トルコでのクーデターが市民の抵抗で失敗に終わったのは、市民社会の成長ぶりを示している。だが、エルドアン大統領が始めた大掛かりな粛清はこの流れに逆行し、国内を不安定化させるだけだ。

 エルドアン氏はクーデター未遂事件を「神からの授かりものだ」と評し、反対勢力一掃の好機ととらえて粛清に乗り出した。十八日までに、事件に関与した疑いで軍や司法関係者ら七千人以上が拘束されたほか、警察官を中心に県知事ら約九千人の公務員が解任された。

 エルドアン政権は、米国で事実上の亡命生活を送るイスラム教指導者ギュレン師がクーデターの黒幕だと主張し、米国に身柄引き渡しを要求している。両国間の火種になる雲行きだ。

 事件に当たり政権支持を打ち出した欧米も、この事態に憂慮を深めている。十八日の欧州連合(EU)外相理事会は「憲法秩序を全面順守し、法の支配を優先する重要性」を挙げて、トルコに自制を求めた。

 北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコは、冷戦時代は国境を接するソ連と対峙(たいじ)した。今は、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦やシリアの難民問題で最前線に立つ。

 シリア国境から百キロほど離れたトルコ南部にあるインジルリク空軍基地は、米国主導の有志国連合によるIS空爆の出撃拠点だ。この基地には米国の戦術核も配備されている。

 難民問題では、EUとトルコは三月、EUが資金援助などをする見返りに、トルコが難民を受け入れることで合意した。

 いわば欧米にとってトルコは中東政策の要だ。その協力は不可欠なだけに、何よりも避けたいのはトルコ情勢の不安定化だ。

 反対勢力一掃によって、一時的にはエルドアン体制は強固になるだろう。だが、時計の針を戻すような政権運営は矛盾をはらむ。いったん民主化を知った国民は、不満を募らせるだろう。

 エルドアン氏はこれまでも反政府デモ弾圧や言論規制という強権を振るい、国内外に摩擦を生んだ。

 クーデター事件の背景にも、それへの反発が指摘されている。

 エルドアン氏に必要なのは、粛清ではなく反対勢力との融和だ。国際的な責任も自覚してほしい。トルコ社会の対立が激しくなれば、中東全体の混迷に拍車をかけることになりかねない。