職場で花見の話をしたら、ふと相手の口先にもれたこの歌。平安末期~鎌倉時代、西行の作だそうだ。
この歌を詠んだ西行は、本当にきさらぎ(2月)の望月(15日)のころ、2月16日に亡くなったのだそうだ。歌を詠んだのが60台半ばで、享年は73だったというから、ずいぶんゆったりと、しかも望みどおりにいったものだ。変な話だがうらやましい。歌の心にも、勝手にだがいろいろ解釈して感心している。
まだ30歳をちょこっとでたに過ぎないのに気に入ってしまった。ここのところちょっとぎすぎすしていて、落ち着いた、余裕のある心境からだいぶ離れている。
ぜいたくしすぎか。まだ、自分は人生の夏くらいにいて、秋、あるいはさらに春のためにいろいろ仕込まなければいけないときなのかもしれない。
なんて考えにとらわれているうちは、まだまだ西行の境地からはかけ離れているんだろう。
久しぶりに、心地いい風に吹かれた気がした。