いまさらながら、「ハウルの動く城」を見た。
これは、良い。好みだ。
これは、女の子のための映画だ。女の子の心を持った人のため、といったほうがいいのか。「女性は、身の回りのものすべてを愛してほしい」みたいな、そんなテーマなんじゃないかな。ある意味、(カントク思うところの)男のかっこよさをひたすら描いたと思われる「紅の豚」と対になっているかもしれない。
女性には、男を愛してほしい。子供を愛してほしい。老人を愛してほしい。そういうパワーが、女の子を呪いから開放します。カントクのエゴともいえる、でもある意味できあがった価値観を、ただ主人公を通して伝えたい、というのがよく伝わってくる。
世界やシチュエーションは、すべて演出にすぎない。だからだから大して大きな意味はない。そのあたりは映像としておもしろく伝われば十分、その映像はたまらなくおもしろい。アノマロカリスを模したと思われる飛行艇、動く城のギミックも、カントクの好きなスチームパンクのパワフルさ、おもしろさを十分に発揮している。
ストーリーもそんなに意味はないと思う。最初の設定だけでドラマティックで、あとはさまざまな演出を加えていろいろ表現している。
多少ご都合な感じのエンディングも別に違和感なく受け入れられたけども、ただひとつイマイチかな、と感じたのは、サリマンの「こんなのは終わらせましょう」というセリフ。んー、ちょっとやりすぎか。
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