Nonsection Radical

撮影と本の空間

雪も降る日に昔を思う

2014年02月08日 | Weblog
関西南部は昨夜一時雪が降ったが、朝からは風雨で、一日布団にくるまり読書。
室温5度。
布団に毛布にと豪華な組み合わせで暖房がなくても寒くないが、ふと「昔は寒かったろうなぁ」と”いにしえ”の冬を想像してみた。
明治以前一般の庶民には暖房などなかったろう。
火鉢などは暖房ではなく、手焙りだ。
いろりがあるような地方は別に、部屋全体を暖めるという事はなく、ただ寒さに震えるしかなかったろう。
布団も綿の布団があればいい方で、藁やムシロをかぶって畳もない簡素な家(小屋)で冬を越す人が大部分だったろう。
着るものもウールやダウンなんかないし、一般人は木綿や麻を重ね着するしかなかった。
それで木と紙の家に住んでいるのだから、寒さを防ぐ事など出来なかったろう。
それでも工夫と我慢で冬を越したのだからたいしたものだ。
明治になって西洋の服装が入ってきても、基本的に明治以前の生活とあまり変わらなかっただろうが、たとえば新田次郎の「八甲田山死の彷徨」などを読むと、兵士の生死を分けたものが将官が着るウール地のコートか、一般兵の綿(めん)のコートの違いであったりと、確実な”進歩”がもたらされたのは間違いない。
一方で、道案内の地元民が履く藁靴が軍靴よりも保温性にすぐれ、服装も防寒性に優れていたのも事実であろう。
それでも100年かけて西洋化の結果、家には暖房が入り、化繊やダウンの暖かな服装を手に入れ、お湯のある生活が出来るようになった。
だから昔の事を考えれば、ちょっと雪が降ったからって寒いなんて言ってられないんだけど、やっぱり寒いんだよねぇ。





辻川通り
滋賀県高島市今津町今津
撮影 2013年12月28日 土曜日 13時00分
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする