セレネでお茶しませんか?

このブログをご覧の皆さまへ セレネから愛をこめて・・・

三希月廻

2018年11月15日 | セレネ美術館

かつて、宇奈月町愛本に架かっていた「愛本刎橋」(寛文2年~明治24年)。

宮廻画伯はふとした縁から、この美しく複雑な構造を見せる刎橋の存在を知り、

興味を持たれて当時の貴重な文献や写真をもとに、かつての刎橋の姿を

画面上に再現されました。

何度も現地に足を運び、辺りの風景はもちろん当時の植生などを調査されて

綿密に綿密に描かれました。

 

この愛本刎橋の絵には「三希月廻」という題が付けられています。

どんな理由があるのかな?とちょっと不思議に思ってました。

今回、「宮廻正明展」を開催するにあたっての資料にそのワケ見つけました。

 

ご紹介したいと思います。

「三希というのは三大奇矯ということです。

(愛本刎橋、山梨県の猿橋、山口県の錦帯橋)

そこに月が出る訳ですが、それは月が三つの橋を回るんじゃないかと

思っての命名です。

人は三つの橋に飛んで行けないけど、お月様は三つの橋を見て回れる訳で

一晩で三つの橋の見回りをしてるんじゃないか、というイメージもあって、

三つの珍しい橋、橋というものはもともと行けなかった所を結ぶという、

行けなかった人を結ぶという、行き来出来るということで、結ぶということには

希望がある。希という文字には、稀なということと希望ということが

掛けてあります。」

 

詩人でもある宮廻画伯の目線、幻想的で素敵です。

遠い昔、お月様は離れた三つの美しい橋の見回りをしていたんでしょうね。

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 


道の空 (薮田小学校)

2018年11月12日 | セレネ美術館

富山県氷見市にかつてあった「薮田小学校」を描いた絵。

宮廻画伯が2004年に制作されました。

氷見市から来られたお客様たち、とても懐かしがられます。

美術館に備え付けられた感想ノートに書いてくださる方もいらっしゃいます。

少し紹介させてください。

「こんな素敵な場所で薮田小学校にあえるとは思いませんでした。

なつかしくて涙が出そうでした。我が子3人の卒業校です。」

「氷見から来ました。薮田小学校はなつかしいです。」

 

うらやましいですね。私も小学校前半は木造校舎で過ごしたクチですが、

こんな風に絵画で残されていたらどんなに誇らしいことでしょう。

加えてこの絵にはとっても素敵な題がついています。

《道の空》・・・。

校庭の雨上がりの水たまりに映った空。

ところどころの水たまりを避けて歩くとそこは道の空。

 

道の空と、ミントグリーンの校舎の色はきっとお似合いだったことでしょう。

それに見てください。正面玄関の小屋根にほどこされた

スカラップ状の装飾。可愛いですね

もちろん宮廻画伯は、この可愛いスカラップも入念に描いておられます。

 

この小学校に携わり、絵画を通して再会された方々、

そして道の空を持つ見知らぬ小学校に絵画を通して出会えた私たち、

誰もがハッピーになる絵です。

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 


デ・スケール

2018年11月09日 | セレネ美術館

11月10日の美術部のために、

「デ・スケール」を制作中です。

 

「デ・スケール」は、デッサンやスケッチをよりよく行うための道具です。

絵では、描く際、どのように画面にいれるのかを考えます。

これを「構図」といいます。

構図を考えるのに、便利なのがこのスケール。

スケールを通してモチーフをみると、どんな風に配置したらいいか、

一目でわかります。

 

  

カットした画用紙に何層か絵の具を塗り、地塗りをし、

絵具の雨を降らせる、ドリッピングという表現をして完成。

 

ラミネートして、美術部のスケッチの際に配布します!!

雨天時も配布。使ったスケールは、参加者にプレゼント!!

単行本に、はさんで入るようなカードサイズにしてあるので、

本の「栞」としても使用できます。

 

 

スケールを通して、見る景色はいったいどのようにうつるでしょうか?

楽しみですね!!

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP


 

 

  <セレネ月イチ美術部11月活動内容>

11/10(土)晴れ:「秋にそまれ!みんな大好き!!宇奈月・スケッチ」  

   宇奈月の町中、展望台ややまびこ橋など、紅葉を楽しみながらスケッチします。

   ◎持ち物:スケッチブック、鉛筆・色鉛筆・マジックなど描きたい道具。

   水彩は不可(5・10分のスケッチで、ポイントを変え、移動しながら描くので)

   外で描く際に役立つものなど(例えば、折り畳み式小型の椅子など)

 

      雨天:「“Oh,beautiful rainy days!!” 雨を描く」

   テーマは「雨」。セレネ2~4階テラスなどでわかれて、雨を感じながら描きます。

   ◎持ち物:スケッチブック、鉛筆・色鉛筆・マジックなど描きたい道具。水彩絵の具もOKです。


※美術部の今後の活動については、HP下記の「今後の予定」をご覧ください。

 

 


ねんりんピック、お疲れ様です!!

2018年11月07日 | スタッフ独り言

ねんりんピック、閉会いたしましたね。

選手のみなさま、そして関係スタッフの方々、お疲れ様でした。

セレネ美術館も4日に俳句の大会があり、たくさんのお客様が来られました。

ありがとうございました。

お客様は県外のかたも多く、遠方からのお客様も。

競技と共に。。。富山をどのように感じていただけたのでしょうか。

 

「富む山」と書いて、富山。

その名の通り、県内のどこからみても、山が見えます。

東部や西部、海側山側で、文化も異なり、

山を軸として、さまざまなものが変化に富んでいます。

食べ物もおいしい!!

県内は紅葉がピーク。

立山連峰など山頂では、雪が降っていて、

雪山と紅葉を同時にみられるシーズンになって来ました。

 

私は自転車が好きで、ロードバイクでよく山や海側など、県内を走っています。

自転車乗りにとっても、県内はすごく走りやすく、よいですよ。

ロードバイクでよくいくのが、新湊大橋。ここを通り抜け、氷見や富山市側の海沿いを走ります。

つい最近行われた、富山マラソンもここをはしり抜けました。

  

道路の下に、歩道がついていて、渡ることが出来ます。

自転車は、おりておして、通行します。

新湊大橋からみる景色は、絶景です。

 

海辺の景色。様々な種類の鳥がいます。

富山は、鳥類にも人気があって、よく旅をしにきています。

佐渡からトキもやってくるんですよ。現在、富山市と黒部市で目撃されています。

私もこの前、サギの寝床に、トキがいるのをみました。

 

富山湾は、世界で最も美しい湾クラブにも加盟しています。

時刻、場所によって、日々美しさが変わります。

 

シーズンは冬へとかわってきますが、雪のスポーツも楽しみ。。。

 

富山の魅力を語れば、話はつきません。

多様性のある富山。

ぜひ、また、きて下さい!!

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP


み・や・さ・こ と読みます。第2弾

2018年11月02日 | セレネ美術館

画像が後になってしまいました

こちらが「行間のよみ」です。

皆さん、お経(般若心経)がどこに書いてあるか

分かりますか?

絵具が乾いては塗り、乾いては塗り・・・

を、100回以上繰り返して描き上げられた

深いダークブルーの水の色。

自分が舟に乗って揺られているような気持ちになります。

 

次は「螺遊」という競馬場のひとこまの絵です。

宮廻画伯の絵の中では少し異質な感じがします。

ワクワクするような躍動感あふれる絵です。

皆様もワクワク感、対極にある寂寥感等を体験しにきてください。

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 


ホッとひといき

2018年11月02日 | カフェ・セレネ情報

 

寒くなるとなぜかあま~いものがほしくなりますよね!

そんなときは、ホィツプクリークがたっぷりのったウィンナーココアがおすすめです。

ホッとひといきつきにぜひセレネに遊びにきてください。

カフェから見える山も紅葉がきれいですよ

 

 

 

黒部市宇奈月国際会館・カフェセレネ

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 


み・や・さ・こ と読みます

2018年11月02日 | オープンギャラリー

10月13日から開催されている【宮廻正明展】

「宮廻?みやまわりさん? なんておよびするの?」という方が非常に多いんです。

みやさこまさあき画伯です。

「平山郁夫画伯なら知ってるけど」

そう言って美術館に入って行かれても、出口では「感動した!!」という方がほとんど。

とにかく素晴らしい大作が揃っています。

宮廻画伯の作品に多く用いられている「裏彩色(うらざいしき)」という手法は

西洋の遠近法とは違う、心に染み入るような奥行を感じさせます。

その手法は、アニメのレイヤーの考えを使っているということです。

新しいことに果敢に挑戦される、宮廻画伯ならではの言葉です。

 

先日、宇奈月中学の生徒さんたちが見学に来ました。

「行間のよみ」という作品で

「はっきりとわからないようにお経が書いてあるんですよ」

と説明したときはどよめきが(笑)。 大受けしました。

大人も子供も隠し絵が大好きですよね。

 

個人的に私の好きな作品は「螺遊」という競馬の絵です。

競馬場の地面の緑がとても印象的。

(宮廻画伯は緑がお好きかもです。緑のセーターを着られている写真があります)

宮廻画伯とエルメスのコラボでスカーフ作ってくれないかな~

なんて夢想してしまう私です

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 


アップルパイ

2018年11月01日 | カフェ・セレネ情報

今日から11月 

カフェのおすすめはアップルパイ

りんごたっぷり。あ~おいしい

季節のフルーツを味わいましょう

みなさまのご来店おまちしております

 

黒部市宇奈月国際会館・カフェセレネ

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 

ふわふわのニット帽 ぼんぼん付きもあるよ!

2018年10月31日 | カフェ・セレネ情報

 

朝晩はすっかり肌寒くなってまいりました。

さて、入荷したのは1点モノのハンドメイド作品、Keiko in培風館のニット帽です。

 

このハンドメイド帽子はすぐに売り切れてしまう人気商品なのです!

たまたま旅行中の方が、そのまま被って散策にお出かけされることもしばしば。

ほかにもあたたかなグッズがありますよ♬

カフェセレネでぜひお手にとって見てくださいね!

 

 

 宇奈月国際会館 カフェ・セレネ
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 


休館日のご案内

2018年10月28日 | オープンギャラリー

セレネの冬期休館日をご案内いたします。

11月~3月の火曜日と、年末(12/29から12/31)が休館日になります。

なお、元日から開館いたします。お越しをおまちしています。

宇奈月国際会館セレネ 

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel0765-62-2000 http://www.unazuki.org/selene/


大いなる人々 武隈善樹 油彩画展

2018年10月24日 | オープンギャラリー

現在、黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館2階オープンギャラリー、

1階エントランスロビーでは、「大いなる人々 武隈善樹 油彩画展」を開催中です。


2Fは、奈良の新薬師寺周辺を油彩で描いた作品が展示されています。

小説などの本が好きな武隈さんにとって、奈良はあこがれの場所。

よく小説のシーンに、奈良のお寺や、景色が出て来るそうです。

行けそうで、なかなか行けない場所。

京都のゴッホ展を見に行った後に、念願かなって見に行ったそうです。

武隈さんにとって、旅の中でみる奈良は、どのようなものであったのか。

ここは、何か小説のシーンと関わりがあるのか?

何かそんな風に想像しながらみると、おもしろいです。

 

 

 

1Fは、「二人」「MAN」シリーズと、演奏する人を描いた作品が展示されています。

武隈さんは、ジャズのクラブにかようほど、ジャズが好き。そして、やはり、本が好き。

ジャズを聴きながら、浮かんだこと。小説から刺激を受けた事、そのようなものが、

混ざりながら、作品となっています。

1F作品は、誰しもが使う文具屋さんに売っているような

「水彩絵の具」で、厚紙に描かれています。

油彩で描いているからか、それとも、クセなのか。

水彩絵の具で描いた作品も、絵の具に厚みがあり、絵に強い存在感を与えています。

 

 

「よろしく」というタイトルの作品。

モデルは、武隈さんの父。

人生においての大切な、ターニングポイントでおこった出来事のワンシーンを描いたもの。

あるお願いに対して、父親は「3年の猶予」をつけるという提案をおこなっているシーンです。

手を組み、下を向きながらもこちらをうかがうようなしぐさ。手前には、画面に切れる形で、

灰皿が置いてあり、こちらにせまりくるような緊張感をただよわせています。

テーブルの形は、かすかに湾曲して描かれており、特別な雰囲気をさらに演出しています。

 

「3年の猶予」によって、人生は見事に変わりました。変わるにしろ、変わらないにしろ。

ある程度の時間的猶予を付けるという行為に、父親の存在の強さを感じます。

 

 

 

武隈さんが考える「大いなる人々」とは。。。

 

個々の作品には、メッセージや私的な物語を感じますが、

展覧会名である「大いなる人々」というわくぐみでみると、

また違った作品にも見えてきます。

つかめるようで、つかみどころがないようにもみえる。

まさに、「武隈ワールド」。。

 

ぜひ、たちどまって鑑賞してみてはいかがでしょう?

 

大いなる人々 武隈善樹 油彩画展

2018年10月23日(火)~11月5日(月)

9:00~17:30 (入館は17:00まで)

期間中無休

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP




澤 和樹・蓼沼恵美子 デュオリサイタル

2018年10月24日 | オープンギャラリー

澤 和樹・蓼沼恵美子 デュオリサイタル

〇日時 2018年 12月2日(日)開演14:00(開場 13:30)

〇内容 東京藝術大学学長であり、ヴァイオリニストとしても高い評価を得ている澤和樹と、

    ピアノの蓼沼恵美子による、円熟のハーモニーをお楽しみください。

〇プログラム 

  モーツァルト:ソナタハ短調 K.296

  ブラームス:ソナタ イ長調 Op.100

  マスネ:タイスの瞑想曲

  ヴィターリ:シャコンヌ

  エルガー:愛の挨拶      ほか

〇料金 一般4000円(前売3500円)/大学生以下2000円(前売1500円)/全席自由

    未就学児の入場はできません(一時保育ご希望の方は事前にお申し込みください)

〇プレイガイド セレネ・コラーレ・コスモホール・アーツナビ(富山県民会館・教育文化会館・高岡文化ホール・新川文化ホール)

〇主催 宇奈月国際会館セレネ 富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel0765-62-2000 http://www.unazuki.org/selene/


ジャズ(10/28)・手回しオルガン(11/18)・アイリッシュハープ(11/24)

2018年10月24日 | イベント情報

紅葉ジャズデイ

日時 2018年10月28日(日)15:00スタート

会場 宇奈月国際会館セレネ

出演 ジャズカルテット

料金 1000円(ワンドリンクつき/当日券のみ)

主催 宇奈月国際会館セレネ 富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel0765-62-2000 http://www.unazuki.org/selene/

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KojiKojiMoheji の「手回しオルガン」コンサート

日時 2018年11月18日(日)①13:30~ ②15:00~

会場 宇奈月国際会館セレネ

出演 kojikojimoheji

料金 500円(ワンドリンクつき/当日券のみ)

主催 宇奈月国際会館セレネ 富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel0765-62-2000 http://www.unazuki.org/selene/

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一守明子の「アイリッシュハープ」コンサート

日時 2018年11月24日(土)15:00スタート

会場 宇奈月国際会館セレネ

出演 一守明子

料金 1500円(スイーツ&ドリンクつき)限定40席

主催 宇奈月国際会館セレネ 富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel0765-62-2000 http://www.unazuki.org/selene/

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すずかけの木

2018年10月18日 | スタッフ独り言

広いグラウンド。たくさんの子供達の声。

まぶしい太陽の光に、眼を細めながら、友達と遊ぶ午後。

ひんやりとした校舎。先生のやさしい声。。。

穏やかな授業。ときに悲しかったり、せつなかったりする自分だけの特別な思い出。

 

 

「母校」という言葉を聞くだけで、何かしらの記憶がよみがえる。

 

 

みな、それぞれではあるけれど、学校には特別な想いがある。

「いい」とか「わるい」とか、簡単には判断できない。

大人へと成長する中で、とても大切にしてきたそれぞれの時間。

 

 

だから、校舎がなくなるということは、とても悲しいことであり、

まるで、自分の思い出が消えて行くようなものかもしれない。。。

 

 

 

 

 

宮廻先生の「道の空」という作品で描かれている、薮田小学校の校舎は今はない。

廃校になる前に、宮廻先生が取材をし描いたものだ。

 

古く奥ゆかしい校舎の形と色、空の対比。

真ん中には校舎の屋根をはるかに超える一本の木。

誰しもが、「ああいいな」と、「のびのびと過ごせそうな校舎だな」と思える、

あたたかい学校の風景が描かれています。

 

それだけでも、絵の魅力としてはすばらしいものですが、

今日来られた卒業生のお客様には、もっと特別にみえたそうです。

取り壊されて、数十年もの時を越えて改めて「絵」としてみた校舎に、

たくさんのことを思い出したそうです。

 

 

絵に描かれている一本の象徴的な木は、

子どもたちには「すずかけの木」とよばれていたそうです。

木には、虫など、たくさんの生き物達も集まってきていて、

子どもたちには、特別な存在であったそうです。

 

お話を聞けたのは、わずかな時間でありましたが、

「すずかけの木」という名前をきけただけでも充分な気がしてきます。

なぜなら、私にも「すずかけの木」と呼べるものがあるから。。。

多くを聞かずとも、どんな風に感じるかはよくわかります。

 

 

どうでしょうか。みなさんにも、ありますか?

「すずかけの木」

 

 

ぜひ、「道の空」の作品を見る際は、

思い起こして頂けたらと思います。

 

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP


宮廻先生のギャラリートーク

2018年10月14日 | オープンギャラリー

本日、宮廻先生をお迎えして、展覧会のオープニングレセプションを開催しました。

主催者あいさつ、来賓の黒部市教育長の祝辞、宮廻先生からお言葉を頂戴し、テープカットを行いました。

上の写真、中央が宮廻正明先生です。そして美術館内で作品解説を行っていただきました。

 

まずは、「クローン文化財」である「高句麗江西大墓壁画、四神の内、青龍と白虎」です。

オリジナルの壁画は劣化が激しいとのことで、クローン文化財のもつ重要な役割を教えてくださいました。

 

島根県を流れる江の川(ごうのかわ)に取材した「水花火」です。

船上の人物と網のバランスが秀逸ですが、実は網がこの状態になったとき、網を投げた人物はくるんと後ろを向いて

勢いを逃がしています。なので写真では絶対こうは写らないそうです。

でも絵画は二つの時間をひとつに結び付けることが可能で、事実ではないけど真実の世界を私たちに教えてくれるのです。

 

宮廻先生が最初の「日本美術院賞」を受賞した「天写田」(右の作品)と、オリーブの木々を描いた「平均律」(左)です。

オリーブの木を描いていると、近くに住んでいる老人に誘われてお茶や食事をごちそうになったそうです。(ちなみに外国です)

その老人は教師で、自分が学んだことを子供たちに教えて白髪になった。オリーブもその実を人に与えるとき風が吹いて葉が裏返り

銀に光るというお話をされたそうです。この話を聞いて、宮廻先生は、ああこれで絵ができた、と思われたそうです。

絵は、見て描けば完成するのではなく、話を聞いて出来上がるものなのです。

 

「風の囁き」(左の人物がいる絵)と、「萌揺」(右の植物の絵)です。

初期のころ植物をよく描かれていた先生は、ある画商さんから「先生は植物はうまいですが、風景は描きませんね、

もしかして下手なのですか」といわれ、ああそうかと思い風景を描きはじめました。すると今度は別の画商さんから、

「先生は風景はうまいですが、人物は描きませんね、もしかして描けないのですか」といわれ、ああそうかと思い

人物を描き始めたそうです。

自分の周りにイエスマンしかいない人は成長できないので、嫌なことを言ってくれる人も必要なのだそうです。

 

「放下便是」・・・執着心を捨て、自然体でいれば道は開ける・・・

宮廻先生によると、自分の得意なことを捨てていかないと、次のものは得られない、とのこと。

禅語のままだと、なるほどねえさもあらんと思いますが、宮廻先生の言葉を自分におきかえてみると、いやーこれはできないなと。

でも大成する人はそれをしないといけないし、いきすぎ(捨てすぎ)もよくなくて少しもどるのも大切とか。

ここを和食のダシをひきあいに説明されるのがさすがの宮廻先生。

 

絵のヒントあり、人生訓あり、先生のユーモアと豊かな発想に触れ、なんだか目の前が明るくなったような気がする約1時間のギャラリートークでした。

宮廻先生、お忙しい中、誠にありがとうございました。