8/1、2と、花組「愛と死のアラビア/Red Hot Sea」を観劇してきました。当日のブログを見ると、
出待ちのことしか書いてない。(笑) もう、小型一眼を使いこなそうと、必死でしたからね。
観劇のことなんて、忘れていました。なので、思い出しながら、今日、感想を書きたいと思います。
まず、1日目に観た時の感想は、「花組らしくない」でした。一番初めのプロローグからして、
すごい、派手で、宝塚の伝統的なかっこよさのある花組とは、全然、違うものになっていました。
元々、私は、花組は、好きではなかったのですが、なんだか、わたる君(湖月わたるさん)のいた時
の星組を思い出しました。かなり、パワフルで、派手さは、今の宙組に通じるものがあったと思う。
その二つを足したような雰囲気があって、今回の花組公演は、私は、案外、好きかもしれません。
ただ、その派手さは、まとぶん(真飛聖さん)には、似合わなかったように思います。ちょっと、
派手すぎだったかな?と思いました。でも、中近東の話ですから、どうしても、そういう派手さを
出さないといけなかったのかな?とも思いましたが、
う~ん
と言う感じでしたね。
話としては、オスマン・トルコ帝国に支配されていたエジプトの頃の話でした。その時に、捕虜と
なっていた一人のイギリス人の最期までの話でした。そのイギリス人の名前は、トマスと言います。
エジプトの捕虜となっていたのですが、優遇されていて、世話係までつけてもらっていました。
そして、エジプト人との友情を描いたものでもあったと思います。その頃、帝国政府に認可を
受けて、総督として就任した太守ムハンマド・アリは、エジプトの独立を目指していました。そして、
その長男のイブラヒムをゆうひ君(大空祐飛さん)、次男のトゥスンを壮さん(壮一帆さん)、
長女のナイリ(桜一花さん)が演じていました。ゆうひ君のイブラヒムは、とても、どっしりと
していて、存在感のある雰囲気をかもし出していたように思います。月組のゆうひ君とは、全く
違っていたので、初めは、びっくりしましたが、花組の本公演で、これだけの実力を出せるなんて、
すごいなぁ・・・と言うのが、私の感想でした。そして、壮さん(壮一帆さん)演じるトゥスンは、
とても、優しく、明るい青年の役で、トマスとは、親友と言ってもいいような仲でした。そして、
一番年下の長女ナイリは、かなり、わがままな女性でした。最後には、敵のイギリスに嫁ぐことに
なるのですが、それでも、ひるむことのない気の強い女性をいちかちゃん(桜一花さん)が、見事に
演じていました。初めて、いちかちゃんを見ましたが、なかなか、いい娘役さんだと思いました。
そして、トマスは、エジプト内では、「ハヤブサの目を持つ男」と言う噂があり、イブラヒムが、
それを確かめにやってきて、見事に、的として指定された旗を打ち抜きます。トマスは、ライフル
の性能の良さであり、自分の実力ではないと言うのですが、その腕を買われ、ベドウィン騎馬隊の
訓練将校になります。そこで、トゥスンと一緒に訓練をするのですが、そこで、どんどん、騎馬隊は、
実力をつけていき、盗賊が襲撃してきたのを返り討ちにするのですが、トマスは、どんどん、
撃っていくのですが、トゥスンは、なかなか、当たらず、落ち込むのを、トマスが、指揮官としての
才能があると言って慰めるんですよね。そして、仲間達が帰ってくると、戦利品を持って帰ります。
そこに、二人の女性が、ベドウィンのキャンプに紛れ込んできます。そこで、アノウド
(桜乃彩音さん)と言う女性が、ベドウィンの男性をナイフで切りつけたため、その女性を切り
つけてしまいます。そして、殺そうとするところに、トマスが、戦利品の馬3頭と引き換えに
アノウドを助けます。これが、トマスとアノウドの出会いでした。だけど、イスラム教について、
かなり、知っているわけではないけど、「宗教」と言うものを考えるキッカケにもなりました。
イスラム教では、家族がいなくなると、女性は、いかがわしい職業に就くか、イスラム教徒の男性と
結婚するか、奴隷となって仕えるかという選択肢しかないらしいのです。そして、男性を切りつけた
ことで、男性に歯向かったというかどで、殺されても仕方がないと言う教えらしいのです。完全に、
男尊女卑ですよね。トマスは、キリスト教だったので、そういう考え方を受け入れられなかったん
でしょうね。そして、トマスは、父親を殺され、家族がいなかったアノウドに、自分を兄だと思う
ようにと言い、妹として暮らすことを約束するのです。ところが、そこにトゥスンが、自分の
結婚式に出席してほしいと言うのですが、どういう女性か、トマスが、聞いてみると、会った事が
ないと言う。
信じられない!!
だって、結婚するんだよ!?なのに、顔も、性格も知らない女性と結婚するなんて、よくできるよな
と、思ってしまいました。これが、イスラムの習慣と言われれば、それまでのことですが、やはり、
どういう人なのか、知り合った上で結婚するのが普通だと思うんだけどなぁ・・・。まぁ、トゥスンは、
いいところのお坊ちゃんだから、変な女性と結婚することはないのかもしれませんが、
びっくりです!!
しかも、前にも書きましたが、一番下の娘ナイリは、敵国のイギリスに嫁入りすることになるし、
完全に、政略結婚ですよね。それでも、あの気の強さがあれば、充分、やっていけると思いますが・・・。
私の感覚からすると、全く、別の世界です。だけど、トマスは、どんな宗教でも、神様は、一つだと
言う考え方を受け入れてしまう。ちょっと、それは、違うんじゃないか?と思った愛里なのでした。
話を元に戻しますが、カイロに来たトマスは、ムハンマド・アリに謁見することになり、ベドウィンの
統率力を認められ、エジプト正規軍の訓練将校を命じられます。ていうか、捕虜になったほうが、
出世するって、どういうこと?
まぁ、自分の母国だったら、ただの狙撃手だったわけですから、捕虜となって出世した方がいいの
かもしれません。ただ、自分の母国と戦うために利用されているわけですから、トマスとしては、
複雑な気分なのかなぁ~?とも思いました。でも、イスラム教を知り、コーランを読み始めた
トマスですから、そんなことは、考えていなかったのかな?なんて思いました。それから、アノウド
に再会するのですが、イブラヒムは、トマスの奴隷として生きることを、彼女は選んだと言って、
連れてきたのでした。トマスは、アノウドに、ここで、妹として暮らすよう説得し、アノウドも、
妹として生きることにするのです。そこに、トゥスンが、スーダン遠征に司令官として出たいと言う
申し出に、トマスを快く思っていなかったアジズに侮辱されたため、決闘をすることになり、
トマスは、殺すつもりはなかったのですが、不意をつかれた為、殺してしまいます。そして、結局、
捉えられ、オスマン・トルコ側の人間を殺したかどで、処罰を求められ、明朝、処刑するという
ムハンマドの命令がくだるのでした。そして、アノウドが、拘置所のところに、上着を持ってきます。
それを着ていると、ムハンマドに、処分を撤回するようにお願いするものの、聞き入れられず、
また、ムハンマドが、断腸の思いで、その処分を決定した事を理解していたイブラヒムは、トゥスンが
バカな真似をしないように、見張るようムハンマドに命令されるのでした。そして、トゥスンは、
仲間と共に、トマスを助けに来ますが、トマスは、自分の命一つで戦いがなくなるのなら、喜んで、
処刑されることを受け入れると言うのです。そして、エジプトが、一日も早く、独立できることを
望んでいることを伝えていると、そこに、イブラヒムが、軍を連れて、やってきます。でも、
トマスは、イブラヒムも、自分を助けに来たことに気がついているんですよね。そして、トマスの
思いを知ったトゥスンたちは、その場を、泣きながら、去っていくのです。そして、イブラヒムは、
アノウドを連れてきます。そして、その場で、トマスは、アノウドを愛していることを伝え、結婚を
申し込み、アノウドも、それを受け入れます。最後は、それぞれの思いの歌を歌い上げて終わり
でした。この終わり方が、なんとなく、不完全燃焼だったんですよね。もうちょっと、どうにか
ならないものかと思ったのですが、時間が足りなかったんですかネェ・・・。これでは、まとぶんの
初めての本公演っていうのは、かわいそうな気がしました。演出、脚本に恵まれてなかったと思う。
「Red Hot Sea」では、皆さん、弾けてましたネェ・・・。おもしろかったのが、一番初めに、小さい
船が、端から端まで動いていくんですよ。それが、まるで、船が海の上を動いているように見えて、
とても、おもしろかったですね。そして、二日目は、某カード会社の貸切公演だったので、その
宣伝をしているところが笑えましたね。11場のところでは、ゆうひ君と壮さん、もう一人いた
のですが、そのカード会社の名前を書いたカードを見せていました。ゆうひ君、かっこよかった
です。個人的には、18、19場のところが好きでしたね。ミュージカルみたいな感じなんですが、
マルタ(桜乃彩音さん)とマリオ(真飛聖さん)が仲良くしているところに、女性達がやってきます。
そこに、マルタを自分のものにしたいと思っているセラ(壮一帆さん)がやってきます。そして、
マリオが、追い払うと、今度は、仲間を連れてくるんですが、セラたちは、短いロープを、そして、
マリオ側は、棒で対応します。そこの群舞が、すごく、いいんですよね。それぞれが、かっこいい
のです。結局、マリオは、セラにナイフで刺されて死んでしまうのですが、最後の言葉は、
「子供の名は・・・ペドロ」
と言って、息絶えるんですよね。あくまでも、子供の事を気にかけるマリオの言葉が、とても、
切なかったです。他の場面は、やはり、キラキラした場面が多かったですね。でも、男役さんの
群舞も、なんだか、花組らしくなかったような気がします。そして、エトワールは、男役さん、
5人でやっていました。私、今まで、いろいろなエトワールを見てきましたが、男役さん5人の
エトワールを見たのは、初めてでした。そして、ブルーの羽をつけて、降りてきて、しかも、
5人、一度に、ご挨拶をしていました。珍しいですよね。でも、全体的には、よかったけど、
花組らしくなかったですネェ・・・。これからも、組のカラーが、どんどん、変わっていくのかな?
なんて思った愛里でした。