「最高のステージでした」
プロデューサーが言ったこの言葉に尽きる最終回でした。
ファーストライブはステージとその裏側をドキュメンタリーのように見せていくスタイルでしたが
全国ツアーは真乃の思いを引き立てるように描かれていてそれぞれ違った趣きがあります。
「プリズムフレア」のライブシーンは23人のアイドルを次々と入れ替え多彩なカメラアングルで映していくので
先行上映では推しを絶対に見逃すまいと必死になっていたのを思い出します。
これまでのライブシーンからアイドル達のパフォーマンスもアニメとしての表現もレベルアップしていて
ラストを飾るに相応しい見応えがあります。
2番のサビでお当番回のあった咲耶、千雪、愛依、ちょこ先輩、透が順番に映るところめっちゃ好き。
TV放送では1週間ごとにじっくりと内容を噛み締めて視聴してきたことで
ライブの最後に透と真乃がこっそり視線を向け合うシーンは先行上映よりも心に響きました。
真乃はライブを行う度に灯織とめぐるをチラっと見ることがなくなっていき練度の向上が描かれているのですが、
そんな真乃が最後の最後で敢えて透と視線を交わすことで2人が気持ちを通わせていることが伝わってきます。
これまでの交流や「星の数だけ」「いつだって僕らは」のステージを経てのことなので本当に尊い・・・!
シャニアニでの真乃は最終的に「笑顔になって前を向いてくれる人がいる限り立ち続ける」という思いに辿り着きます。
先行上映で事前に結末を把握した上でセカンドシーズンを見直すと
真乃がそういう思いに至るためのポイントが随所に存在しており、
TV放送でそれらを見つける度にどんどんと線が繋がっていくようで楽しくなりました。
シャニアニは静かで穏やかな雰囲気でありながら動的なアニメにも負けないぐらい心を揺さぶられ、
先行上映の感想でも書きましたが私の中のアニメ史にずっと名前を残す作品になりました。
セカンドシーズンの円盤も予約しているので新作の「SHHis」を楽しみに待ちたいと思います。
一時停止も戻りもできない先行上映では気を抜くと置いて行かれそうになった透と真乃の会話。
第6話に続いて今回も最終回に向けて改めてしっかり見直したい話でした。
SNSでの予期せぬバズりによって多忙となった透。
透からすれば自分は何も頑張っていないし第6話で真乃が話していた嬉しい気持ちも見つけられないままで
虚しいだけだったのでしょう。
でも真乃だって手探りで進んでいる最中であり、それでも話していると透を笑顔にしてくれる。
真乃のようなアイドルになりたいという透の目標が見えてきて、
真乃もまた透との交流から自分の気持ちを伝える方法を考えるようになります。
そんな2人の心情を表してか2人が屋上にいたときの空は第6話のときより雲が少なく良い天気でした。
どことなくイルミネの3人っぽい色のイルミネーションに囲まれて歩いているノクチル。
最終回ではイルミネによってノクチルが背中を押されるような流れがあり、それを知った上で見るとエモい。
現実世界はそろそろ落葉かどうか微妙な頃ですがシャニアニの世界ではまだ見ごろでしょうか。
シャニアニは季節の進みが現実とほぼ一致していることがリアリティの補強になっていて良いですね。
今回はセカンドシーズンでは特に好きなちょこ先輩回です。
この話のために第3章の先行上映は4回観に行きました。
しかしTV放送を改めて冷静に視聴することで、先行上映では大スクリーンに映るちょこ先輩の可愛さに見とれたり
爆音で流れる白石晴香さんの声に聞き惚れるあまり内容を把握しきれていなかったのだと痛感しました。
ちょこ先輩のなりたいアイドル像って1人で悩んだ末に導き出したものと、
放クラの他の4人からの話を聞いた後で変化していたんですね。
最初はあすみちゃんの夢を代わりに叶えることから自立して胸を張っていきたいというように語っていましたが、
合宿前に自室でアンケート用紙に記入していたときの表情からするとしっくり来ていなかった様子です。
で、ちょこ先輩の話を聞いた他の4人はこれまでのちょこ先輩の振る舞いやあすみちゃんの夢を叶えることを否定せず
自分たちも「友達の夢を叶えたい」と言っていました。
ここでの「友達」はちょこ先輩でありあすみちゃんのことでもあるのでしょう。
ちょこ先輩はあすみちゃんの夢を代わりに叶えることは何も悪いことではないと気付かされて、
最終的に辿り着いたアイドル像が「一緒に夢を叶えていけるアイドル」だったのです。
ええ話やん・・・
映画館では没入しすぎたり台詞を聞き逃すまいと力が入りすぎて逆に物語を咀嚼しきれていませんでした。
ちょこ先輩のお当番回でありながら、
1人の夢を放クラ全員のものとして一緒に叶えていこうとする放クラの良さも伝わってきて本当に素晴らしい話だなと。
この回を経てちょこ先輩は面白くて可愛いだけのキャラクターではなく複雑な感情を持った人間なのだと見方が変わり、
ちょこ先輩をますます好きになれました。
今回から先行上映第3章の話に突入。
愛依のお当番回ということで北原沙弥香さんの声を映画館でこれでもかというぐらい聞けて嬉しかったのを思い出します。
ストレイライトは以前のオーディションといい今回の盗撮といい他のユニットに比べてハードモードすぎる。
でもそのおかげ(?)で愛依の方向性が定まっていきストレイライトの強さを感じられました。
で、アニメだと最終的に愛依が陽気なJKとしてステージに立ったのか
ミステリアス路線を継続したのか明確に描かれておらず
先行上映のときは腹をくくって陽気な自分を出していったのかなと考えていましたが大きな間違いでした。
「ステージに立つときは魔法にかかんの」と愛依本人が言ってるように、
それが愛依なのだから陽気なJKを出すことが彼女の目指すべき姿ではなかったのでした。
このあたりの答え合わせはシャニソンのアニメ連動ストーリーで行われており、
それを見るまで全く気付けていませんでした。
そもそもエンディングの「Future Designer」を聞けば愛依がどうしたかなんて分かるだろうと。
映画館で北原沙弥香さんの声を聞いていたんじゃないのかと。
ホントにシャニアニは油断ならないアニメです。だから好き。
千雪が甘奈に貸したアプリコットはファーストシーズン第3話で引っ越しの荷物の中に登場していました。
先行上映の後に最初から見返したときに伏線があったのかと気付いて驚きました。
声優さんがファーストシーズンの振り返り配信か何かで「この雑誌はアレだ!」みたいに話しておられていても
私にはなんのことかサッパリでしたが、今になって分かるようになりました。
そんなアプリコットのカバーガールを巡っての物語に先行上映では心を揺さぶられ、
話を知った上で見るTV放送ではある程度落ち着いて視聴できました。
甘奈も千雪もそれぞれ互いがカバーガールに相応しいと思う気持ちと自分がやりたい気持ちがあり、
けれども甘奈は辞退しようとしたらデキレースで甘奈の勝ちが決まっているという・・・
初見では一体どうやって収拾つけるんだと頭が痛くなる一方、シャニアニはこんな話もやるんだと惚れ直しました。
(とはいえ元々はenza版にある話であり、私も先行上映の後でプレイしました)
反対ごっこを通して決して口には出せないし考えたくもない、
けれども抱えてしまっている気持ちを吐露するというのは見ていて辛いですが
彼女たちなりの解決策が見つかったことは嬉しかったです。
それと同時に彼女たちの人間としての厚みが増して見えるようにもなりました。
TVで冷静になって見ていて思ったのですが反対ごっこ中の叫びの演技が凄すぎる。
叫んでいはいるけど本気で叫べていない様子とか、
三者三様に考え抜かれたであろう叫び方をしていて声優さんの力を感じました。
今回の話で先行上映第2章は終わりでした。
シャニアニでしか味わったことのない感情のまま映画館を後にしたのを思い出します。