ついに今日という日がやって来てしまいました・・・・。
我が愛すべき夜行列車群の一員がこの日をもって定期運行の幕を下ろします・・・。
あかつき・・・・なは・・・・銀河 の終焉・・・・・さらに北斗星、日本海の減便・・・・この寂しさ、悲しさは 私にとって本当に筆舌に尽くしがたいものです。
昔はさほど珍しくなかったこれらの列車達も 時が経ち、時代の変化に追随出来なくなってしまったようです。 夜行バスの出現や航空券の安価販売等々・・・・そして 後輩にあたる新幹線による高速ネットワークの確立・・・今、静かに輸送機関としての使命を終えようとしています。
夜行列車の魅力とは・・・・一体どこにあるのでしょう・・・・?
私が小学生の頃、世の子供たちの間では「ブルトレブーム」というのがありました。日曜日の朝早くともなると カメラを持った子供達がブルートレインの通過を待ちわびている光景を良く目にしました・・・・私もその中の一人でした。
やがてブームも去った頃、周りのみんなはだんだんと この世界から離れていきました。それとは反対に私は一層想いを寄せるようになりました。その理由は・・・・ブルートレインが本当に格好良かった事に尽きます。子供ながらに その当時、自分の行った事の無い遠くの地から一晩中走り抜けてやって来た彼らを思うと 「僕が寝ている間に一生懸命走り続けて来たんだね!」って 姿を見るたびに勇気を貰えたような気がします・・・・・・やがて そんな鉄道少年も大人になっていきました・・・・幼少の時に感じた鉄路への想いはそのままに・・・・・。
就職してからというもの 日々の忙しさに加え 気力・体力・集中力の衰えを感じるようになると 学生時代のようなフットワークは持ち合わせることが出来なくなり ブルトレに逢いに行く機会も激減していきました。 それでも毎年の夏休みなどは鉄道旅行を楽しむ事は忘れていません・・・・これはこのブログを読んでいる方なら よ~く判ると思います。
確か就職した年の夏休み・・・・一人で関西に行きました。当時最新鋭の100系新幹線に乗って・・・食堂車を連結している列車は既に少なかったのですが この時は2階建てグリーン車の1階にある売店で おつまみとワイン等を購入、普通車指定席ではありますが 優雅に過ごしたことを憶えています。
新大阪到着後、関西地区の看板列車である新快速に乗車・・・こちらも当時最新鋭の221系の走りに感動しながら須磨方面に向かいました。須磨界隈は海岸線を走る事でも有名ですが ここは 九州から関西終着の夜行列車の撮影地として有名なところ・・・・早朝に通過する あかつき、彗星、なは 等を撮影するための下見が目的でした。そして現地確認後は再び大阪まで戻り、ホテルにチェックイン・・・・一旦余計な荷物を部屋に置いた後で 再び撮影機材だけを持って大阪駅へ・・・・今度は大阪始発の夜行列車を撮影するのが目的です。午後7時から9時半頃まで居たでしょうか・・・・その間、地元の鉄道ファンの方々との会話を楽しみ、それぞれの地元ネタを交換・・・楽しいひと時でした。 翌朝は早朝に起床し、チェックアウト後に速攻で須磨海岸へ・・・前日の下見の成果がハッキリ出ました・・・普段見る事の出来ない関西ブルトレ群を一網打尽にゲットしました・・・・我ながらGood Job!です。
そういえば・・・仕事でも利用した事がありますね・・・。2年ほど前の話になりますが、名古屋で仕事があった時、夕食をご馳走になった挙句、飲みにつれていって貰える事になりました。その誘いの言葉を聞いた時点で 私の頭の中では既にシナリオが出来上がっていました・・・・(「そうだ!・・・新幹線が無くっても、銀河に乗って帰ればいいんだ!」・・・と・・・・)
上り 寝台急行 銀河 の名古屋駅発車は日付が変わった午前0時52分・・・・、0時半まで飲み明かした後、タクシーで名古屋駅へ・・・そしてホームに上がり 同様な思考の乗客数名と一緒に列車の到着を待ちわびていました・・・季節は確か・・・1月下旬だったと思います。すごく寒くて、震えながら待っていた事を思い出しました・・・・。やがて定刻に銀河が到着、指定された寝台に向かいベットに陣取ると、すぐさま車掌さんが検札に来てくれました・・・・。検札さえ済めば、あとは東京到着までは自由に寝られる・・・・・既に酔っ払いと化していた私は そのままベットにゴロンと寝転んで眠りにつきました・・・・途中、一度 浜松駅付近で目が覚めましたが 再び寝込んでしまうと・・・・気がつけば もう大船駅付近を走行しています・・・慌てて身支度を整え、終点東京には6時半過ぎの定刻到着・・・・・そのまま会社に向かった事もありました。 そういえば東京駅で降りた時、結構な利用者が居たことを記憶しています。
そんな 思い出の詰まった夜行列車たち・・・・その一部が今夜限りでお別れです。
直向に 闇夜の鉄路を疾走する・・・安全と正確さを胸に秘めて・・・・そんな彼らに改めて敬意を表し、この言葉で括りたいと思います。
惜別の言葉
いつかまた逢える・・・・君達の疾走する姿は私の記憶の中に鮮明に残っているよ・・・・
そして休むことなく 日々走り続けてきた道程は 大勢の人々の心に刻まれる・・・・・
喜怒哀楽・・・乗客の思いを乗せた旅路は今日でひとまず休息にしよう・・・・・
新しい明日に向かって その伝統あるネームに さらに磨きをかけておくんだ・・・・・
いつしか走り出す 新しい列車のために・・・・・
惜別! あかつき ・ なは ・ 銀河・・・・・ だから 「さよなら」 は言わないよ!
もうすぐ最後の出発合図が鳴らされる・・・。最後の仕業・・・いつも通り 安全に正確に。
何故か センチメンタルな気分となってしまいましたが、どうかお許しあれ。
今回、私は お別れには行きません・・・・※注1
我が工作室にて 只々道中の安全を祈願することにしましょう!
そして我が模型鉄道の中で永遠に走り続けてもらうことにします・・・・。
みんな、おつかれさまでした!
※注1:このような行動は鉄道趣味者の間では「葬式鉄」と呼ばれます。「通夜鉄」とも言う。