詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車」NO.72

2011年10月17日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第三部第十七章「関係」NO.72

「百合菜・・・・彼とは、大人のお付き合い、男女の関係だそうだね。」
「・・・・・」
私は、高井が、どのように父親に私たちの関係について話をしているか、全く検討がついていなかったので、そのまま無言で父親の言葉を待っていた。

「お前の姉さん、真里菜のことが、あってから、お前の結婚のことは、私も母さんも心配はしていたが、なかなか口にはできなかったけど。
そういう関係になったということは、お前にも結婚する意志はあるんだろう。」

父親は、よどみのないはっきりした口調で私に問いかけてきた。

「わ・・私は・・・・」
さっきまでの心地よい酔いなど、とっくにどこかに消えてしまっていた。

「高井君というのは、お義父さんからの評判もすこぶるいいみたいだね。」
「お・・・おじいちゃんにしゃべったの?」
「お前の結婚は、もちろんお前の意志を第一優先はするが、お前もわかっているとおり、結婚相手=SAB株式会社を継ぐことになるだろう。だから」
「でも高井君は、私が、冴場の孫だって知らないはずだし・・・・・」
「そうだろうな。このことは、SABでも副社長くらいしかしらないことだからな」
「・・・・・」
私は、下を向いたまま、唇をかみ締めた。
「高井工機といえば、業界でも技術力で定評のある会社だ。お前たちが結婚することによって、高井工業が、SABの傘下に入るということは、会社的にも大きなメリットになる。
まぁ、私は、そういったしがらみが嫌でお前の母さんとは結婚したが、会社に関してはノータッチだから、どうこう言う資格はないんだがな。」

いきなりの父親の訪問 そして、私と高井の関係、それがおじいちゃんにまで知られている。
私は、パニックで真っ白になりそうだった。

「高井君は、お前にプロポーズをしたそうだね。その答えを待っているところだけれどもという前置きをして、私に挨拶にきたんだよ。」


**第三部第十八章「感情」NO.73へつづく**
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ポエム~風にふかれて~

2011年10月17日 | オリジナルポエム
風にふかれて(オリジナルポエム)


風にふかれてつぶやいた

僕は誰

君は誰


まだ僕が純粋だった頃

風は友達だった

風の中に妖精のささやきを聞き

木々たちの笑い声を聞いていた


いつからだろう

風が暖かいものではなく

つめたいものだと感じ始めたのは


心の風穴をふきぬける

氷のナイフになったのは



僕の心が変わったからか

今の世相が変わったからか


風はもう僕の親友ではなくなった



僕はそして泣かなくなった

流す涙に熱さがなくなり

ただのしずくになったから


年があけても

何もかわらず

ただ昨日が終わって今日が始まる



世間に対する怒りのこぶしを

ぶつける先さえなくて

おろす場所を探してる


帰る場所さえ見つからなくて

一人さまよい立ち尽くす街角


いつになったら笑顔を取り戻せるのか

幸せという文字を宙に書いては

消す繰り返し


そんな毎日に

僕は何かを叫びたい


暗闇にエコーする苦しい叫びが

ただの独り言に変わってしまおうと・・・・






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