詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第二十五話「コンサート」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年04月05日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第二十五話「コンサート」

健人のなぐさめのおかげで、その週末は、受験勉強に専念することができた。
次の土曜日の全国模試では、少しでも志望校への合格率をあげておかなくては。

「古文と漢文がな~」
得意の英語はいいとして、苦手でともすれば後回しにしてしまう、古文と漢文の勉強を中心に練習問題を解く。

週があけてから、朝は、健人と登校し、帰りは紫苑と帰ることにした。
とは言っても塾の日は、結局3人で学校から塾へ直行する形になるのだが。

月曜日、委員会の件で少し遅くなるという紫苑を私は図書館で待っていた。

少し息抜きをしようかな~
なんて思い、私は、好きな小説家のコーナーを見ていた。
するといつもは貸し出されていて、ほぼそこに鎮座されていることがない
人気作家、桐ヶ谷夢音(きりがやむね)の「アメジストの夜明け」を見つけた。

私は、模擬試験が終わったら、これ一冊くらいは読んでもいいかな?
という気持ちで手を伸ばした。

あと1cm
背伸びをして背表紙には届くけれどうまくとれない。
踏み台を持ってきてもいいけど、その間に貸し出されたら
なんて思っていたら、後ろからすっとその本がを大きな手が棚から抜き出した。

「はい。先輩。これ・・・・」
あわてて後ろを向き、見上げると、庄司君の笑顔が待っていた。

「あ・・・・」
ありがとうという前に目を伏せてしまう。
もう二度と言葉を交わすことがないと思っていた、思い人が目の前にいる・・・

「ちょうどよかった。先輩のこと探していたんだ。」
庄司君が、声を潜めて話しかける。
「この間は、俺のせいで、先輩を傷つけてしまってごめん。」
庄司君が、まっすぐに頭をさげる。
傷つけてしまってという言い方に、庄司君の優しさを感じる。

「い・・・いや・・・私のほうこそ・・・」
「先輩、声大きい・・・」
そうだったここは図書室だった。
自然に私も声のトーンを落とす。

私は、キョロキョロと周りを見回す。

「大丈夫だよ。もう二度とあいつらには、先輩に手を出すなって釘さしているし・・
まぁもっとも、俺よりも先に説教した、海藤先輩のほうが数倍怖かったらしいけどね」
といって苦笑する。
け・・健人も言ってくれたんだ。
あいつのそういうフォローにちょっと感動する。

「先輩は、何も悪くないから。勝手なことをした、あいつらが、100%悪い。
それでそのお詫びといってはなんなんだけど・・・・」
といいつつ、一枚のチケットを差し出す。

「え~!!!」
思わず大きな声を出した私に、周りから「シ~!!」
という声が飛ぶ。
とはいってもこちらの二人の姿は書庫の影になって閲覧席からは見えないはずなのだが。

それは小松崎瑠のコンサートチケットだった。

「い・・・いや。悪いよ。もらえないよ。こんなの。」
私は、声の大きさに気をつけながら、チケットを押し戻そうとする。

「いや、あのままじゃ俺も気持ちがおさまらなくて。こんなことで傷ついた気持ちの埋め合わせはできないかも知れないけど。もともと俺と兄貴が行くはずだったんだけど、兄貴は、来月も友達といくからって、譲ってもらっちゃったし、いまさら兄貴に返せないし」

「庄司君ってお兄さんいるんだ?」
ってそこじゃないよね、つっこむとこ・・・・

「今度の日曜日、大丈夫だよね?」
普通、都合を聞いてからプレゼントするもんだろう!?なんて思いながらも、小松崎瑠のコンサートに庄司君と一緒にいけるのなら、なんの予定があっても最優先するだろうなんて考える。

「あ・・はい。」
「じゃ、日曜日に、16:00に駅前の噴水広場で・・・
あと、これ、俺の携帯の番号とアドレス。
何かあったら、連絡して」
と必要以上に私の耳の近くで囁いて
小さなノートの切れ端とチケットを私の手に握らせて
春風のような心地よさを私の心に残して、そこから立ち去ってしまった。

「え・・・え~!!」
思わずまたうなる私に

「静かに!!」
という声が飛ぶ。


~第二十六話「どうしよう」へつづく~





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