詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第三十一話「思い出」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年04月24日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第三十一話「思い出」



男子のまつげが不自然に長くならないように、カップルコースを選んだのが
間違いだった。

初めてプリクラを撮る庄司君、「はいピースして!」とか「じゃ、今度は、顔を寄せて」
とか
機械にいわれるままにポーズをとる。
カップルでもないのに、距離は完全にプライベートスペースにはいってくる。
「じゃ、最後は、全身、背中合わせで」
なんていわれて、私も最初は、恥ずかしかったけど、赤い顔が残るのもイヤなので
開き直って同じくポーズをとる。

ヒヤヒヤの時間は終わり落書きコーナーへ・・・・
「うわ!!先輩かわいい!!!」
イヤイヤだから、プリは誰でもかわいく写るもんなんだって・・・・
と冷や汗をかきながら説明をする。

いつもは、小さめできらいな目もプリでは、自然な大きさになって、確かに自分で見てもかわいく撮れていると思う。

顔をよせあったり、背中をぴったりくっつけたり、プリの写真だけみたら、どこから見ても完璧な恋人同士だった。

プリントされた写真の一セットを私にくれる。

「え・・・と庄司君、この写真・・・」
「大丈夫だよ。人目がつくところには貼らないから。
海藤先輩とか、藤崎先輩とかに見られたら大変でしょ・・・・」
とちょっといたずらっこの目になって庄司君が言う。

「あ・・・うん。」
それよりも庄司君のファンの子に見られたら殺されそうだと思いつつも口に出さずにいる。

「じゃ、会場に行こうか・・・・」
というと自然に庄司君が、私の手をとる。
庄司君の手。
大きくて温かい手・・・・

この手をずっと握っていたい・・・
そんな途方も無い夢が私の心に去来する。

でも、いい・・・・
今日の思い出に
こんなに素敵な宝物が出来たのだから。



第三十二話「ライブの後」へつづく~




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恋愛ポエム~香り~

2012年04月24日 | 恋愛ポエム
香り
~オリジナルポエム~


香りは
なぜもこんなに残酷なのか

忘れていたのに
忘れたいのに

記憶の奥底にしまっていた
彼との思い出箱を
いとも簡単に開いてしまう

いつも彼が身にまとっていた香り
私が大好きだった香り

いだき合うたびに
それは私の香りにもなり
共犯者の微笑みを交わした

彼とは違う
髪の長い男が
私のそばを通り過ぎる

隣の小さな背をした
彼女の肩に
その手をまわしながら
まるで彼女が壊れてしまわないか
この世のすべてから守るかのように


忘れていた香りが
わたしを過去のラビリンスへと誘う

もう二度と会うことのない
彼のことを思い出し
私の心が
キシキシ泣き出した・・・

*******

シャネルNO.5
私が時々身にまとう香水の名前

かっこつけたくてしているわけじゃない。

人よりも鼻が敏感な私は
好きではない香りが多い

唯一自分の体から発していても
ゆるせる匂い

夜に予定があるときだけに
身にまとう香り
元々香水が好きじゃないから・・

よく子供たちに
ママの匂いがすると言われる
休日
香水もつけていないのに

自分の匂いはわからない
でも子供たちは、ママの匂いも
パパの匂いも好きなようだ・・

匂いは
香りは
想い出と結びついていることが多い

なぜか私は
沈丁花の香りを感じると
懐かしくて
泣き出しそうになる

つながる思い出もないのに
子供のころが
懐かしくて・・・・

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