序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

バビソア8

2008-05-03 19:27:41 | アート・文化

今朝は雨音で目が覚めました。途端暗澹たる気持ちに襲われました。
私の生まれ故郷は北海道の釧路という中都市です。18歳までそこにいました。ここは別名霧の町とも呼ばれる所で、春先から初秋にかけてどんなに晴れていても午後三時を過ぎると、沖合いから霧の壁が襲って来て、すっぽりと街を包みます。旅人にとってはロマンティックな霧も、その土地の生活者には厄介者です。スポーツを好んでいた私にとって雨や霧は大敵でした。あれから40年を過ぎた今でも私は雨が嫌いです。
ここで私が雨が苦手なもう一つ理由を教えましょう。

実は・・・私は・・・泥で出来ているんです。

と、いう事で「バビソア」の続きです。

9 エントーリア

B10

ある日ジュンちゃんは気になっていたことを

コロマンに聞いた

「このエントーリアはいつできるの」

エントーリアはバビソアの大きな湖の片隅にある

骨組みだけの船の名前

「ハハハハハ・・・」

大笑いをしながらコロマンはこう言った

「エントーリアは永久にできはしないさ」

「どうして?」

「ここは子どもの国バビソアだよ、遊びの世界さ。

楽しい事がたくさんあるのにわざわざ働こうと

考える者なんかいないよ」

「でも骨組みだけど・・・できてるわ」

「そう、それはね。たくさんの子ども達がくるんだ、

中には物好きな子どももいるのさ」

「どんな?」

「夢の世界のバビソアで冒険旅行の夢を見るような

変わった子さ」

「わたしも冒険旅行がしてみたい」

「でもそれができるのはエントーリアが完成する

ずっと先のことさ。今、目の前に楽しい事がある

んだよ。それを知ったらすぐにあきてしまって

遊びだす。だからいつまでたってもエントーリアは

骨だけの船なのさ」

「コロマンが手伝えばできるよ」

「僕の役目はみんなのあそびの手伝いさ、仕事の手伝い

じゃない」

「そうなんだ」

なんだかジュンちゃんは悲しい気持ちになった

「そんなことより次はどんな遊びがしたい

んだい?」

コロマンはいった


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