序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

1月9日

2011-01-09 21:01:39 | まち歩き

1月9日は劇団旗揚げ以前から私達の芝居を応援し続けてくれた、劇団芝居屋後援会長の尾藤敏雄氏の命日です。大きな喪失感を抱えたまま氏が急逝して丸二年になりました。

昨日、後援会副会長をしていただいている栗原夫妻と一足先に会長の墓参りに行ってきました。
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場所は谷中の金嶺寺。

JR日暮里駅から谷中霊園を通っていくのですが、この霊園は著名人や歴史上の人物の墓が数多く、訪れる人も大変なものです。この日も土曜ということもあり大勢の墓参や散策の人達でにぎわっていました。
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往年の大スター長谷川一夫さんの墓がありました。思ったより質素な墓なので、霊園の案内係の方の説明がなければ見落とす所でした。

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広大な墓地を見ていると、桜と見紛う色の梅が一本ありました。

私は植物に関しては無知なので、この梅の咲きようがが早いかはわかりませんが、チョッと意表をつかれた感じがしましたね。

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オッペケペで有名な川上音二郎や新派の創始者澤田正二郎の墓もありました。自分が芝居関係の人間でなのでやはり関りのある人物の墓には関心をもちますね。そうりえば徳川慶喜の墓もここにあります。             

霊園をぬけて会長の菩提寺の金嶺寺に行く前に昭和のメロドラマ「愛染かつら」の舞台になった愛染寺があります。

そんな物見遊山な気持ちも、いざ墓参りとなると吹っ飛び、悲しみがぶり返してきます。
なんとか何でもないふりを装っていたんですけどね・・・。

そんなんじゃ故人も浮かばれません。

帰りは故人が墓参の帰りに奥さんと歩いたという道をたどって歩こうという事になりましてね。上野公園を通り湯島天神を巡り御徒町まで歩きました。

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途中で腹が減りましてね。そりゃそうです。11時30分から旅の始まりで気づいたら2時を廻っていたんですから。

何か旨いものでも食べようという事になりましてね。何が食べたいか、いい歳をした四人の爺婆が(これは謙遜です)言い合って結論は天ぷらという事になりました。中の一人がチョット気になる天ぷら屋があるということでそこをめざす事になりました。

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なかなか渋い造りの店構えでね。

かきあげに自信があるらしく、看板にも大きくかきあげの文字がありました。
店の名前は「天久」
読みは「てんひさ」なのか「てんきゅう」なのか?

店は間口一間半奥行き二間といったところでしょうか。
十五人も入れば一杯の店ですが、いかにも職人気質の六十代後半の主人と、娘さんなのか通いの人なのか、四十代の仲居さんと二人で切り盛りしているようです。

看板のかきあげに釣られて、そのかきあげを注文しました。

来てびっくりですよ。

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私のこぶしが四つくらいおおきさで、立派な、しかもすこぶる美味いかきあげでした。

かきあげを割ってみると、その中までサクサクに揚がっていて、こんなかきあげは初めてでした。いや世の中には名人上手はいるものですね。

故人のおかげでいい時間を過ごし、良いものを味わいました。

彼はまだ私を導いてくれています。     合掌           


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