shinの言いたい放題

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二塁ベース

2023年07月26日 | 日記
横浜高校と慶応高校の決勝戦。平日とはいえ横浜スタジアムは満員。さすが神奈川高校野球人気は半端ない。
ゲームは手に汗握る好ゲーム。お互いの力を全力で出しての9回の攻防は見ごたえがあったし、
高校野球ならではというプレーがあった。そして自分の高校時代の夏の大会を思い出してしまった。

ノーアウト一塁で慶応の打者がセカンドへゴロを打ち、横浜の二塁手はセカンドベースへ投げ
ショートの緒方くんがカバーに入ってベースを蹴って一塁へ送球。ダブルプレーは成立しなかった
ものの、ワンアウト1塁でプレーが再開するものだと思っていた。だが、二塁審判はセーフの宣告。
ショートの足が触れてない(離れている)とのことでオールセーフ。まさかのノーアウト一二塁から
プレーが再開されることになった。横浜高校ベンチからは選手が説明を求めてグラウンドに出て
審判に詰め寄るも当然アマチュアの世界で判定が覆ることもなく。それを監督は分かっていながらも
選手をベンチから送り出す。なんとも言えない光景であった。きっとピッチャーの杉山くんは
相当動揺しつつも、そこは横浜のエースとして3年連続甲子園を狙う投手として切り替えて
次のバッターに専念しようと無理やり切り替えたのではないかと思う。そして次の慶応のバッターは
このチャンスを活かすべくフルスイングして高々と上がった打球はレフトスタンドへ。逆転の
3点本塁打で形成が一気にひっくり返ったのであった。

先ほどのダブルプレーが成立しないどころか、1つの合うとも取れなかったプレーで審判が
マウンド側からではなく仮にセンター側から見ていたらどうだったのだろうか。ショートがベースを
蹴るところをしっかりと見れたのではないかとどうしても思ってしまう。ランナーが二塁へ迫ってきていた
わけではなく、余裕をもったプレーが出来ていたのでなおさらしっかりと見てほしい場面だった。
審判の目線やレベルが今後も問題にあるであろうが、そうはいってもアマチュア野球であり審判も
アマチュアである。同じ環境下で慶応もプレーしているのだから一緒であると考えたくなるが、
あのプレーでワンアウトを取っていたら違った展開になっていたのは言うまでもない。本塁打を打っても
同点止まり。もちろんそこから連打で逆転していたかもしれないし、ホームランが飛び出さず
再び内野ゴロで正真正銘のダブルプレーで横浜がその瞬間優勝していたのかもしれない。
決勝戦、9回、僅差。審判も一生引きずるジャッジになるのかもしれないが、下した判定は
誰が何と言おうと覆らない。審判に誹謗中傷するのだけはやめてもらいたいと思う。
人間の判断ミスととるのかよく見ていて蹴られていないので正真正銘のセーフだったのか、
永遠の謎のまま終わってしまうが、横浜高校ナインの甲子園に懸ける思いはこんな形で
潰えてしまうとは本当にかわいそうであり残念である。誰が見ても納得する形ならば
彼らも負けを認めるだろうし、次のステップに切り替えられると思うけど、あのジャッジを
受けた18歳の子供たちの人生が大きく狂う可能性もあり、非常に辛いものだと思う。

自分の高校時代の試合で、人間のジャッジではなく運命の自然のいたずらという表現がふさわしい
事象が起きてしまったのを鮮明に思い出した。5回の表に逆転の2点タイムリーを打って、
裏の守りをしっかりしようと思ったワンアウト1塁。足柄のバッターが放った打球はピッチャー正面への
強いゴロ。ピッチャーが取れなくてもショートがベース寄りに守っていたので、ボールが来れば
キャッチしてベースを踏んで一塁送球してダブルプレー完成というシーンをレフトのポジションから
思い描いたのだが、ボールは無情にも二塁ベース付近へ到達しなかった。ではどこへ行った?
なんと打球はピッチャープレートに当たって勢いがあるのでそのまま垂直にあがり、空中を
彷徨いそして早く落ちて来いと待ち構えていたショートのグラブに収まったのは数秒経ってから
だった。まさに漫画の世界が現実に起きてしまったのだった。起きてほしくないタイミングで起きて
しまったので相手に流れが一気に傾き5回の裏に一挙9点取られてしまった。どうにも止められない
攻撃であった。スポーツの流れを恐ろしく感じたイニングであり、そのままゲームは進み自分の夏は
初戦で終わってしまった。プレートに当たった現象なので誰が悪いわけでもなく、ただただ運河悪い
ということになるが、「あれがプレートに当たらなければ」という想いは今になっても消えるもんではない。
そう考えると横浜ナインもきっと、「ベースを蹴ったのに審判がジャッジしてくれなかった。してくれていたら
甲子園に行っていたかもしれない」というたられば論争を何年もしているだろうし、青春の一ページとは
言えない辛い思い出だけが残るのではないかと。青い春ではなく無春ではないかと。
なんとも残酷な夏の1日を横浜スタジアムという環境が生み出したんだなと忘れられない日となってしまった。

ただ、両チームが全力で戦った姿には感動したし、優勝した慶応には甲子園で全国優勝を成し遂げてもらいたいと
強く思った日でもあった。