新婦人大津支部

女性と子どもの幸せを願って活動する国連NGO認証団体です

「介護ー私たちの要求」発表

2011-03-11 | 大津支部
高齢期を安心してすごしたい
新婦人が「介護―私たちの要求」発表
利用者・家族の願いかなえる見直しを
新婦人しんぶん2011年2月10日号
 
 政府は2012年施行に向け、介護保険法改定案を今国会に上程しようとしています。
 2月1日、新日本婦人の会は「高齢期を安心して過ごせるよう 介護保険制度の抜本的見直しを―私たちの要求」(要旨別掲)を発表しました。

実態調査から浮かび上がる問題点
 新婦人の都道府県本部ごとに実施し、まとめた「介護をめぐる緊急アンケート」(2009年)には、総数2000件を超える声が寄せられ、さらに2010年に県や支部が調査した結果からも共通する実態や要求が――

 
●保険料・利用料が高い
 「月5万円弱の年金なのに介護保険料が2カ月で8200円と高額」「体が悪く、在宅介護が困難で施設に入所させたが、支払いが困難で退所させた」(宮城)「年金が月7万円の母親が入所している認知症対応のグループホームの利用料は月15万円。貯金を取り崩していて間もなく底をつく」(愛知)など低い年金に比べて、保険料や利用料が重く、必要なサービスの利用を控えたり、退所したなどの訴えが多数寄せられています。

●実態に合わない認定制度
 「5年前に難病を発症し、要介護度4と認定、病気は進行しているのに、現在は要介護度3に下がった」(東京)など、軽度に判定される問題や「歩行困難となり、悪化したのに要支援となり、サービスが受けられなくなった」(宮城)「要介護度1でベッドが介護保険からはずされ、自費で1万5000円払っている」(愛知)など、介護度による支給限度額や制度上の制約によって、必要なサービスが利用できていません。

●特養、ショートステイ、デイサービスの充実を
  「老健施設に入所しても終生いられるわけではないと言われ、3カ所の特養に申し込んでいる。500人、300人、100人待ちで途方に暮れている」(宮城)など多数の待機者があふれ、入所できない、ショートステイやデイサービスも利用できない実態が…。

●家族の負担が重すぎる
 「同居人がいるからと、ヘルパー派遣を打ち切られた。昼休みに自宅に戻り、安否確認をしているが、限界」(北海道)「妻80代、夫90代の2人暮らし。他県にいる娘が月の半分くらい介護に通ってくる。夫に認知症が出ているので今後が心配」(静岡)と、依然として介護の負担が家族に重くのしかかっています。

●介護労働者の労働条件の改善を
「施設の従業員が足りず、手をかけたり、声をかけたりすることが不足している」(静岡)「コムスングループからニチイグループに変わった。介護職員の定着が悪く、入所者が不安定になって、落ちつかない」(愛知)など職員不足で十分な介護を受けられない、賃金が安くて定着しないなど、介護労働者の賃金や労働条件の改善も急務となっています。