サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

2030年「未来都市の暮らし」はこうなる(2012年に書いたこと)

2020年01月03日 | 持続可能性

2012年に「図解 スマートシティ・環境未来都市」という本を出しました。一般ビジネスマン向けに1時間で読めるという図解本です。そのプロローグで書いた文書をブログで公開します。

既に8年がすぎ、SDGs未来都市も始まり、付け加えるべき新しい動きもあります。特に、この文章を書いた時には、東京都の郊外都市に住んでいたため、そこを舞台にしています。

今読むと、直したい点がたくさん、あるのですが、こうした文章をたたき台にして、あるべき持続可能な社会の具体像をみんなで描き、共有することが大事だと考えています。

 

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僕たちの暮らしを紹介します

 僕は2010年に大学を卒業しました。大泉翼です。現在、42歳。2歳年下の美咲と結婚して15年。11歳になる一人娘ひかりと3人で、大都市郊外の街に暮らしています。

 僕が住んでいるK市は、20年前に「環境未来都市」の国の指定を受け、市長の強引ともいえるリーダーシィップにより、大きな変化を見せました。環境に配慮するとともに、少子高齢化時代を先取りして、市街地の大改造を行いました。国の特区の指定も受け、厳しい条例をかけるとともに、市民参加によるまちづくりを徹底してきました。環境ビジネスに熱心な沢山の企業が自らの技術をアピールしようと先端技術をK市に提案し、普及実験を重ねてきました。そうした試みの結果、K市は「世界の環境首都」コンテストの常連となり、世界各地から視察団が訪れるようになっています。また、国内外から「住んでみたい街No.1」として注目を集めています。

 一方、日本各地の街では、地方分権が進んだこともあり、市町村の成功と失敗が露わになっています。K市は最も成功した都市の一つでしょう。

 成功した都市をみると、個性的な都市がここ10年くらいで増えてきたように思います。都市によっては豊富な自然を活かした田園都市づくりを進めてきて、田舎暮らしを好む人々の人気を集めています。

 国際都市としての魅力を高めた街もあります。木造の建築物が多く、エネルギーも木質バイオマスの利用を中心としている「ウッドタウン」を名乗る都市もあります。芸術家が多く暮らす「芸術都市」もあれば、市をあげて健康づくりと農業に力を入れている「ロハス都市」もあります。

 このように2030年の都市は様々です。その中で、K市は「未来都市の玉手箱」と言われるように、実に多くの未来志向の実験を試みて、定着させてきました。

 それでは、K市に暮らす僕と妻の暮らしを紹介することで、未来都市の具体的な姿をお伝えします。

  

スーパーエコハウスでの暮らし

 はい。私(美咲)からは、マイホームの話をします。翼さんと私が結婚して5年目に、K市に一戸建ての家を建てました。国が定める「スーパーエコハウス」の基準を満たす家で税制上の優遇を得るとともに、私たち夫婦の夢を一杯詰め込んだ家をつくることができました。

 うちで使うエネルギーはすべて再生可能エネルギーです。電気、ガスといったエネルギーを総合的に供給してくれるA社と契約しています。A社は、自社の太陽光発電で発電した電気と他社が発電した山間の水力発電や洋上の風力発電の電気を調達し、それらを組み合わせることで安定した電気を供給してくれます。

 自宅の屋上では、住宅用太陽光発電をつけてもよかったのですが、再生可能で地球温暖化防止に貢献できる電気をA社が供給してくれるため、給湯用に太陽熱システムを設置しています。うちの太陽熱システムは屋根や壁の間を水が循環するもので、温ためられた水は地下のタンクに貯められ、給湯や冬場の暖房補助に使います。真冬以外は、この太陽熱システムがあるので暖房をつけなくても家中暖かくして過ごせます。

 ガスは家庭や食品工場等からでた生ごみを集め、発酵させてできたメタンがガス管を通じて供給されています。地下から掘り出した天然ガスは枯渇してしまいますが、生ごみでつくったメタンは「再生可能だから地球にやさしいのだ」と夫は自慢しています。

 

エコブレインによるエコ生活のナビゲーション

 私(美咲)のうちには、「エコブレイン」が居間のテレビの横の壁に備え付けになっています。「エコブレイン」は、家のエネルギーの消費状況を監視し、どの家電製品でどれだけ電気やガスを使っているかをセンサーで把握し、表示してくれます。消し忘れの機器があるとそれを画面表示とアナウンスで教えてくれます。

  「エコブレイン」は、エアコンと扇風機、あるいは除湿機・加湿器を組みわせて、温度とともに湿度の制御をしてくれます。窓を開けた方がいいときは、窓の開閉を促すメッセージを出してくれることも「エコブレイン」のいいところです。

 「エコブレイン」の機能は、省エネルギーを促してくれることだけではありません。毎日、家に持ち込んだ買い物の中身や家から出すゴミの量、あるいは水の消費量を計量し、それによる環境負荷の量等も計算して、表示してくれます。

 買い物をした商品にはセンサーに反応する装置(電子タグ)がついていて、それを「エコブレイン」が自動的に読み取り、生産者された場所や生産の方法、生産や輸送に使ったエネルギーの消費量などを記録し、「エコブレイン」のデータベースに蓄積されます。

 「エコブレイン」は、表示内容を音声で説明してくれます。操作も音声入力で行うこともできます。外からスマートフォンを使って、「エコブレイン」と会話をすることもできます。

 「エコブレイン」は家族の一員のようで、しゃべり方にもとても愛嬌があり、子供の「ひかり」という名前にちなんで、「こだまちゃん」と呼んでいます。おかしいかしら(笑)。

 

駅前オフィスとテレワーク

  続いて、僕(翼)は仕事と都心の市街地ことを話します。

 僕は、IT企業でコンピュータプログラムの開発を行っています。若い頃は都心にある本社オフィスに毎日通っていましたが、10年くらい目から、本社に通うのは週2日だけ。あと3日は最寄駅前の「テレワークセンター」に勤務しています。

 「テレワークセンター」はどこの企業に勤める人も、自由に使うことができます。机は決まってなく、あらかじめ予約をしておく必要があります。

 「テレワークセンター」に通う日は、往復2時間の通勤時間が節約できるため、その時間を利用して、近所の森で開催される「里山セラピー教室」に通っています。森の中で開催される樹林気功教室です。一本の木を前にして深呼吸をすると、自分の体の中が澄み渡り、力がよみがえる感じがします。この教室に通いだしてから、風邪をひかなくなりました。妻や娘も時々ですが、一緒に参加しています。

 本社オフィスに通勤するときも昔のように通勤混雑はありません。テレワークを導入する企業が増え、1日当たりの通勤人口が半分以下になったからです。

 出勤すると、部内会議が中心です。WEB会議室でも会議ができ、顔を合わせた会議をしない会社もあるようですが、僕の会社は、社員が同じ場所にいる時間をつくることを大事にしています。

 官庁の情報システムを担当していて、霞が関に出かけて打ち合わせをすることも多いです。都心の中の仕事での移動は、電気バスや地下鉄を利用します。都心の道路を走る車は「電気自動車」「プラグインハイブリッドカー」だけになりました。バスと乗用車、さらには自転車で、走行レーンが分かれています。

 電気自動車等の充電は、都心オフィスの太陽光発電で発電された電気を集めた充電施設で行われています。オフィスビルの屋上はほとんどに太陽光パネルが敷き詰められていて、都心を走る電気自動車に電気を供給したり、またオフィスの電源に利用されています。

 都心を走る自動車はかなり少なくなりました。都心に流入する自動車のうち、市街地を通り抜けるだけの通過交通は規制されているからです。また、電気自動車とハイブリッドカーだけが走行することができます。次の段階ではハイブリッドカーも規制され、電気自動車しか走行することができなくなるようです。都心内の駐車場では、自動課金システムになっており、電気自動車とハイブリッドカーだけしか利用できません。

 昔は、都心への通勤ラッシュ、都心の混雑は、大都市という魅力的なところで仕事をするために我慢しなければいけないことだと思っていました。しかし、最近では通勤も都心内の移動もスイスイとできますし、都心の中も緑が増え、空間にゆとりができました。心にもゆとりができ、仕事の効率もあがっていると思います。 

 

地球温暖化による気象災害と大震災への備え

  僕(翼)は今の仕事や暮らしに満足して、幸せです。ただ、心配なこともあります。

 それは、地球温暖化による異常豪雨の増加となかなかこない大震災のことです。

 日本では地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出削減努力を続けてきました。2011年3月11日の東北大震災のときに原子力発電所の事故があり、その後、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化を進めてきました。

 しかし、K市のように街をあげて、環境・エネルギー問題に取り組んできたところばかりではありません。まだまだ、取組みが遅れている都市も多くあります。開発途上国の人口爆発は歯止めがかからず、経済成長とともにエネルギー消費量と二酸化炭素排出量は増加を続けています。

 地球温暖化が進むと、日本では平均気温が上昇するばかりでなく、降水量が増加すると予想されていました。また、台風の上陸回数は減少するが、一つひとつの台風は大型化するという予測もありました。それらの全ての予測があたっていたようで、大型台風の上陸やゲリラ豪雨が増えていると実感します。

 都心部では省エネ化や公開空地の創出と緑化を進めていますから、ヒートアイランド現象への歯止めはかかっていると思いますが、地球全体の温暖化が止められていないのだと思います。

 また、東北大震災の後、関東大震災等の太平洋側での大地震の発生確率が高まったと予測されました。幸いにもまだ大震災は起こっていないのですが、いつ来てもおかしくない状態は続いています。

 このため、災害に対する備えも徹底されています。K市では、街の総合計画に「レジリエンス」というやや難しい言葉を掲げ、街をあげて自然災害のリスクに備える対策をとっています。猛暑に対する備えとして、高齢者等の社会的弱者に対する安否確認をする情報システムが整備されています。異常気象による停電も多くなっていることから、公民館には蓄電設備が設置され、停電時の安全な避難場所となるように徹底した準備をしています。

 また、近隣住民と公民館が一緒になって、「異常気象・気候変動適応行動計画」を作成し、猛暑や異常豪雨、大地震等の際にどのように行動するかを、地区毎に考えています。避難訓練も徹底して行っています。

 自然災害の猛威は避けられないものですが、行動計画策定や避難訓練等を通じて、一人ひとりが意識を高めていますし、災害の事前予測や事後の情報をいち早く正確に伝える情報システムが整備されています。地域で助け合うための準備もできています。

 

地域での社会活動の充実

  いやだわ、翼さんたら。怖くなるような話ばかりをして。話題を変えて、私(美咲)は休日の暮らしのことを話しますね。 

 私は、K市内の遺跡跡で、月2回開催される「手づくり市」を楽しみにしています。「手づくり市」を行う地域は近年、増えてきていて、K市の「手づくり市」は2020年から始められました。

 地域に暮らす人々が家でつくった農産物やお菓子、木工品、絵画等の作品を持ち寄り、青空の下で店を出します。緑豊かな歴史公園に、色とりどりのテントが張られ、毎回多く人々が集まります。地域の人々が地域のために行うビジネスのことを「コミュニティ・ビジネス」というそうですが、この「手づくり市」は「コミュニティ・ビジネス」が集まり、情報交換をする場所にもなっています。

 実は、私も、K市に昔から伝わる織物を材料にして、バックやカード入れ等の小物をデザインして、作っています。この「手づくり市」に出すようになってから、評判になりました。一緒にやってくれる仲間もでき、会社組織にして、本格的なビジネスを立ち上げる予定です。普段の打ち合わせはパソコンやタブレットのテレビ会議システムを利用して行っていますが、月2回の「手づくり市」の日だけでは、仲間が集まって話あったり、一緒に接客をしたりしています。屋外のきれいな場所で、仲間としゃべっているときが本当に楽しいです。

 休日の活動では、「エコクラブ」の活動もあります。これは、先に述べた「エコブレイン」を自宅に設置している人々がサークル活動を行うものです。「エコクラブ」の活動拠点は、近所の公民館です。毎週1回集まって、環境や福祉、教育、防災のことを勉強しています。この前の「エコクラブ」では、食育をテーマにしました。K市には、伝統的な保存食が名物だったらしく(干芋や干し柿など)、それを復活させ、今度「手づくり市」に出店しようという話がでています。

 休日には、「ネクスト塾」という塾の野外教室が行われることもあります。「ネクスト塾」は、2011年に柏市の起業家が大学や行政と連携した立ち上げた事業で、全国各地に広がっています。

 この塾の特徴は、人生経験が豊かな高齢者が塾の講師となり、高齢者の社会参加と知恵の伝承を促すとともに、共稼ぎ世帯の子供の学童保育と教育を担うということにあります。うちでは私が家で仕事をしているので、学童保育に預ける櫃必要はないのですが、実験的な教育、大学と連携しているようなので、娘(ひかり)も面白がるのではないかと思って、通わせています。

 「ネクスト塾」の野外教室では父兄も参加して、昆虫や草花の採集を行います。生き物に詳しい高齢の専門家が面白おかしく説明してくれるので、勉強になります。実は、私も海外留学経験があり、英語ができるので、たまに英語講師や通訳を引き受けたりしています。

 私は、昔、夫と同じ会社に勤めていましたが、出産を契機に会社をやめました。今は、地域の中で、地域に役立つ活動をしながら、少しですが収入を得ています。今度立ちあげる伝統工芸を扱う会社も、あまり大きくせずに、楽しめる範囲でやっていけたらと考えています。

「手づくり市」や「ネクスト塾」があるこの街に住んでよかったわ!。

 

共有で使うものが増えてきた

  美咲はいくつになっても元気で、楽しそうだね(笑)。

 さて、クールな僕(?)は、2020年代になって、急激に普及した「シェアリング」のことを話したいと思います。「シェアリング」は、みんなでモノを共有することです。高額でたまにしか使わないようなモノは、個人で所有するのはモッタイないと思う人が増えてきて、「シェアリング」が爆発的に普及しています。

 まず、うちではマイカーをもっていません。近隣への買い物やひかりの送り迎えが必要なときは、「コミュニティ・カーシェアリング」を利用します。これは、歩いて2分のところに停めてある共用車(電気自動車)を、事前にインターネットで予約して利用する仕組みです。車種はコミュニティに参加している会員が話し合って決めました。ちなみに、フロントのボディカラーは、乗る人の好みでスイッチ一つで変更することができようになっています。僕が乗るときは、いつもオレンジ色にしています。

 実は家の中にも、個人で所有していないものばかりです。冷蔵庫と洗濯機、エアコンディショナーがリース商品です。それぞれ、メーカーとリース契約をしています。最初に契約料を払うのですが、大した額ではなく、毎月のリース料を払うことになります。リース料は利用量に応じて課金されます。冷蔵庫では中に入れたモノの体積に応じて、洗濯機は洗濯の回数に応じて、エアコンも利用時間や温度設定に応じて課金されます。リースにすると、無駄使いを控えようという意識も働くからいいようです。また、壊れたときの修理や買い替えもメーカーの責任でやってくれます。より性能のよい機器ができたときの取り換えもメーカー側がやってくれます。

 また、農園も「里地里山管理公社」から借りています。この公社はK市が設立したもので、市内の農地や雑木林等を買取り、整備するともとに、市民に利用を斡旋しています。農地や雑木話の管理委託料を行政から得ているほか、農地のレンタル料や里山の利用料などが収入源です。地元の大手企業は、社会貢献活動の一環として、公社に寄付もしています。

 レンタル農園では、野菜をつくることが多いですが、ときどき「コミュニティ・ガーデン」の仲間で集まって、バーベキューをすることもあります。バーベキューは、近所にあった雑木林を再生した「里山」で行います。「里山」は、昔ながらの萌芽更新の森を再生したもので、落ち葉は集めて堆肥にして農地にいれます。また、伐採した木は炭にして、バーベキューに利用しています。炭焼き小屋はないのですが、K市の「里地里山管理公社」に頼むと、伐採した木を炭にしてくれます。公社は炭焼き施設をもっていて、高齢者を雇用して、炭を製造しています。

 「里山」では、公社が健康づくりのプログラムを提供してくれています。毎朝、「里山セラピー」といって、心と体の健康づくりを行う教室が開催されます。いろいろなコースがあるのですが、太りやすい体質の僕は、ダイエットコースを選んで、できるだけ週2回以上、教室に参加するようにしています。

 たまに遊びにいく貸別荘もあります。ここは、K市と交流関係にある山村が提供してくれるもので、その山村の役場が貸別荘の管理行ってくれます。

 最近では「夏山冬都市(まち)」という過ごし方が定着してきていて、夏になると貸別荘にでかける人も増えています。貸別荘では、仕事をすることができる設備も整っています。会社にサテライト勤務の申請をすれば、休暇をとることなく、貸別荘に出かけることができます。

  

過去15年の変化を振り返って(二人の会話)

 ここからは、僕たち2人で、ここ15年の変化のこと、K市のことをあらためて整理してみようか。

  わかりました。私(美咲)は、最近思うの。この街に住んで15年で、この街は大きく変わったわ。でも、この街は、この街をどうしたいか、どのように変えるかを常に私たちに説明してくれたし、私たちの意見を聞いてくれた。そのことで、私たちも街の取組みに参加しようと思えた。今の街や暮らしは、とても楽しいけど、その楽しさは与えられたものでなく、自分たちも参加してきたから楽しいんだと思うの。 

  僕(翼)もそう思うよ。K市以外の街をみると、大手のデベロッパーが大規模な空き地を利用して、大規模な住宅地を整備して、そこにハイテクな設備をふんだんに盛り込もうとしたけど、結局、与えられたカプセルの中での暮らしは楽しくないと引っ越す人が増えているというよね。

  私、この前、お隣に最近、引っ越しきた中村さんの奥さんと話をしたの。中村さんたちは、郊外の歴史ある街に暮らしていたけど、駅から離れたところに大型ショッピングセンターができて、鉄道駅前がどんどん寂れたみたい。車がないと移動できないような街になったのだけど、ここのところガソリンが上がっているでしょ。そうするとガソリン車をやめて、電気自動車にしようと思ったけど、その街では電気自動車の充填施設も少なかったみたい。このK市にくると、電気自動車の充填施設は充実しているし、カーシェアリングで利用することもできる。そもそも、自動車を利用しなくとも歩いて買い物にいくことができる。それに気づいたら、K市に引っ越したくしてしかたなくなったと言っていたわ。

  確かに、最近、寂れている街が増えているね。この15年の間に、未来を先取りしようと頑張った街と、問題を先送りして何もしなかった街の差が出ているね。僕の出身地のS県のH市なんかも、自動車に依存する街づくりを変えようとしなかった。そのうち、高齢化が進んで、高齢者が増えてきたのだけど、そうすると駅前に入居型老人ホームばかりが立つようになった。昔あった有名なデパートも老人ホームになった。

  私たちはK市という成功した街のことを話したけど、日本全体をみると、失敗した街は少なくないわね。他の街はなぜ、未来に向けてやるべきことがわかっていたのに、それをしなかったのかしら。私はそれが不思議だわ。

  そうだね。僕の知るところでは、失敗した街の中にも未来都市を名乗り、いろいろな構想をつくったところもあったんだよ。でも、そうした街が失敗したのは、何かが欠けていたと思う。

 何が欠けていたの?教えて。

 そうだね。その答えはk市と他の街の違いを比較すればわかることだよ。美咲だって、わかっているはず。詳しくは本(図解 スマートシティ・環境未来都市 早わかり)に書いてあるから、読んでみてね。


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