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サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

安成公務店 ~環境ゼネコンの生きる道

2009年03月01日 | 環境と経済・ビジネス
写真:安成工務店の分譲住宅団地「エコタウン」にある共同畑


信州大学の仕事で、山口の下関にある安成工務店を訪ねた。

昨年度のストップ温暖化「一村一品」の山口代表だ。全国大会のプレゼンテーションで同社の取組みを知り、是非訪ねたいと思い、1年後に実現した。


この会社は、OMソーラーと産直木材、新聞古紙を材料としたセルロース・ファイバーの断熱材を用いた環境共生住宅に力を入れている。

木材産地である大分県の上津江村と施主との顔の見える関係、地域の集団回収をお行った新聞紙の利用、分譲住宅団地内でのコミュニティづくりのための共同畑など、関係づくり(社会関係資本の形成)にも熱心だ。


この環境共生住宅の建設数は年間130棟、住宅部門は会社全体の売上げの半分に当たるという。

全国各地で、地元の木で地元の家をつくる運動が展開されているが、パッシブソーラーやリサイクル材ので断熱も取り入れた特徴的な商品は少ないだろう。事業規模も大きい。

安成社長へのヒアリングでは、時代に揉まれてきた中小ゼネコンの自負と信念を感じた。次のような言葉が印象に残る。

・これまで、時代時代で事業の転換・拡大を図ってきたが、それぞれが必然であった。

・OMソーラー、産直住宅、新聞古紙によるセルロースファイバーも、セミナー等で社長が見聞きした出会いをもとに、始めている

・山での感動を共有したい、住宅を買って幸せな家庭を築いてほしい、社員にも楽しんで欲しいという想いと、事業の両立、一体的な実現を目指している。

・今もまたニュー建設業としてのビジネスモデルを探している。どうしたら、「この地域で生き残りをさせてもらえるか」をいつも考えている。

・こだわっていることは「社会実験」だ。また、これまで、間違いだったと思うことはない。過渡期にある時代で、思うところを前向きにやってみたい。

・コミュニティ、関係性を重視する事業は、必然と出会いの結果的な産物であるとともに、事業の理想、地域での行き残りを考える中で、生みだされてきたものである。いくつかの事業を成功させ、整理された循環システムを作り上げているように見えるが、その過程では、様々な試行錯誤と失敗もあった。


この安成工務店が本格的に環境共生住宅を志向したが1990年頃である。この20年近くで、ここまで環境事業を育て上げてきた実行力に敬意を表したい。


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