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行政における計画策定と進行管理の方法として、PDCA(plan-do-check-act)サイクルが普及している。この方法は、企業等における生産管理の国際規格としても採用されており、改善を継続的に運用していく方法として有効である。
しかし、PDCAには次のような欠点がある。
- 計画段階では、これまで実施されてきた取組みの改善が重視される前例主義となり、新たな対策は正統性を強く主張しないと採用されにくい。
- 決められた時期に見直しを行なうことがあらかじめ決められてしまうため、既に形骸化した対策の改善、新たな対策の追加が遅れる。つまり、変化への迅速かつ柔軟な対応が遅れ、後手後手や手遅れになる可能性がある。
- 組織内の担当部署毎に、守備範囲の対策の実行と自己評価、見直しを行なうという方法がとられがちであり、分野横断に担当部署毎に連携して行なうような対策が創出されにくい。既存の地域で実行可能かつ有効性が明確な対策が優先され、社会経済の構造転換に踏み出すような対策が創出されにくい。
- 将来の状況を予測したうえで長期的な対策をとろうとしても、将来予測に不確実性があるため、優先されにくい。
- マルチステークホルダーによる計画策定を行なうとしても、現在世代の利害調整であり、将来世代の代弁者は不在である。つまり、将来世代の視点からの検討が不十分となる。
こうしたPDCAの欠点を解消するため、バックキャスティング、シナリオプランニング、順応型管理等の方法が提案され、実験的に実施されている。
各方法は、形ばかりの導入になっている場合や研究レベルで実施されているものが多く、各地で各方法の実用化に向けた実践を行ない、ノウハウを共有していくことが必要となる。