夏の星達の美しさは目映いばかりです。
彼らは赤く白く、大きく小さくそして遠くに近くにと
夜空にその美しさを際立たせます。
夏、太陽は力を増してせっせと大地の命を育てます。
一方、一日の仕事を終えて太陽が去って行き
涼やかな風が吹き渡る時刻になると
星達がゆっくりと天の彼方から昇ってきます。
暑かった一日の終わり、夜の庭に出て天を仰ぐと
白樺の黒い影の枝先にお星さまが密やかに温かく親しみをこめて
瞬いていました。
一粒一粒の光が慎ましやかで美しく清らかでした。
唯、じっと見つめているだけで満ち足りた思いが心の片隅から湧いてきました。
春から夏の間、毎晩、南の空から赤く輝く麦星と白く輝く真珠星のご夫婦が
仲良く手をつないで登場します。
麦星は牛飼い座の一等星でさみだれ星ともよばれ稲の穂を育む雨を降らせる星です。
真珠星はおとめ座の一等星スピカで農耕の女神、麦の穂を片手に持っています。
このお二人がいつまでもずっと仲良しの夫婦星で夏の夜空をハートで焦がしてくれますように。
そうすると毎年、畑の収穫には大いに恵まれることになりましょう。
願い事はたくさんあるけれど、とりあえず(笑)このお星さまのご夫婦には今年の
豊作の喜びを叶えて下さるようにお願いをいたしましょう。
s・y
今日の一枚 「あやめ」 蕗谷 虹児 絵葉書