城と歴史歩きを楽しむ

専門的でも学術的でもなく、気楽に
山城中心に城巡りと歴史歩きを楽しみましょう!

伊豆・長浜城 岩盤を削って築いた北条水軍の要衝

2018-08-17 | 歴史
長浜城は静岡県沼津市内浦長浜小字城山にあり、国指定史跡となって、整備が行き届いています。築城は15世紀後半ごろとされ、本格的に改修が行われたのは、甲斐の武田軍の駿河侵攻で、沼津市内の三枚橋城を築いた天正七年とされます。
 長浜城は長井岬と淡島に囲まれた波静かな内浦湾に天然の良港を持ち、当時の大型軍船の安宅船で武装し、武田軍と度々戦い、侵入を防ぎました。

クリックで拡大 現地説明板の縄張図 抜粋・加筆
随所に縄張図付きの説明板が立ち、道も整備されています。
 図中、城址碑と加筆したのは、古いひっそりと立つ城址碑です。新しい城址碑は駐車場の城道入口に建っています。安宅船と加筆した部分には、安宅船の実物大平面模型が設置されているので安宅船の大きさを実感でき、見どころの一つです。

第二曲輪と堀切Ⅰ
第二曲輪は長浜城で一番面積の広い曲輪で、発掘調査で検出された建物跡が示されていました。堀切Ⅰは凝灰岩の山塊を深く掘って堀としたこの城最大の見所です。

堀切Ⅰから続く竪堀 下から見上げる
この竪堀も岩盤を削り取って築かれています。草で覆われて見にくいのが残念!

第二曲輪と第三曲輪間の堀切と3本の柱穴
凝灰岩の尾根を削り取って堀切が掘られています。堀底には、橋と門の支柱跡とされる柱穴が岩盤に穿たれていました。

城址から見下ろす安宅船の実物大平面模型
道路上の車両と比較すると大きさが判ります。安宅船 デカい

整備が行き届き、階段・手すりが備わっている
藪を掻き分けての城巡りに慣れていると、ここまで整備されていると、かえって物足りなさを覚えてしまいます、贅沢でしょうか。

城址からの眺望は素晴らしい!
訪れた日は好天に恵まれ、城址から三枚橋城方面まで見通すことができました。
オマケは、富士山でした。 ヨッ 日本一!

◆長浜城は、秀吉の北条氏討伐で最後まで持ちこたえた韮山城が開場した時に廃城なったとされます。岩盤上に築かれた城で、風化も殆ど無いので往時の姿が残され、見どころが多くありました。