城と歴史歩きを楽しむ

専門的でも学術的でもなく、気楽に
山城中心に城巡りと歴史歩きを楽しみましょう!

近江・伊佐野城 大型方形区画の群郭がよく残る同名中の城

2018-08-28 | 歴史

伊佐野城は、滋賀県甲賀市水口町和野にあり、城郭と周辺の集落との高低差は殆どありません。
 城主は伊佐野氏で、佐治城の佐治氏を盟主とした佐治同名中の構成員でした。
方形区画の連続した群郭式の城館では、求心的な構造を持たない場合が多いが、伊佐野城では区画や堀、土塁などの防御施設に格差が生じているのが見受けられます。

画像クリックで拡大
【国土地理院地図に甲賀市史第七巻甲賀の城伊佐野城概要図の堀と土塁を手書きで加筆】
耕作地化で一部が失われてしまいましたが遺構はおおむね良好に残存しています。
 近年の改変で概要図の作成時点以降で失われた部分もありました。また、最近の研究では現在よりも細分化された区画になっていた可能性が考えられるようです。

八幡神社西側の堀と堀切
神社西側のⅢ郭に堀切と土塁がはっきり残っていました、土塁は堀底から約2.5m有りましたが堀はかなり埋まっているので、往時は3mを超す土塁だったかもしれません。この堀と土塁は北に向けて100m近く伸びています。
 付近に現在でも3mを超えるような高い土塁が残っていて登ってみましたが、猛烈なブッシュで写真に取ることが出来ませんでした。

Ⅳ郭西側のL字型土塁
Ⅳ郭は畑地になっていますが、L字型の土塁がよく残っていました。土塁の厚みは4m位ありそうですが、上面に樹木が茂っていました。

Ⅴ郭南側の堀と残欠土塁
この付近は最近の道路工事の影響で、概要図の時点よりも遺構が削られている部分がありました。

Ⅶ郭、Ⅸ郭は金網で囲まれていて入れない
概要図で見ると、面白そうな遺構が残っているようですが、周囲を金網で囲ってあり、立ち入りが出来ませんでした。

当日は、猛烈な暑さで遺構を丹念に見る気力が失われる状態でした。多少の暑さなら大丈夫と思っていましたが、命の危険を感じる城巡りになりました。無事なうちに退散です!