城と歴史歩きを楽しむ

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豊後・府内城 都市化の中に城郭の中心部が残された近世の城

2018-09-07 | 歴史
府内城は豊後国府内(現在の大分県大分市)にあります。過日、東海古城研究会の2泊3日の見学会で訪れました。
 府内城は慶長二年(1597)福原直高が入部し築城が始まったが、関ケ原の戦い以降に竹中重利が大改修を行いました。
 その後の火災で四層の天守をはじめ多くの建物が焼失しました。天守は再建されることなく現在に至りました。再建された櫓等の建物もその後の地震や空襲などで失われました。
 江戸期の遺構は幕末近くに再建された人質櫓と宗門櫓のみとなっており、いま見ることのできる建物の多くは、戦後~平成に復元されたものですが、石垣と堀には往時の姿を見ることが出来ます。
 また、現在は本丸内堀は埋められて西之丸と一体化しています。

府内城 国土地理院地図に加筆
周囲の堀は埋められて、道路などになっているが、残された堀越しに見る櫓は、いかにも近世の城というたたずまいで素晴らしかった!

人質櫓 右奥に天守台が見えている
人質櫓は江戸期の建物です。築城当時は背景に4層の天守がそびえていて、壮観だったことでしょう。

宗門櫓 西之丸南側の堀を挟んで撮影
宗門櫓は江戸期の建物で、人質櫓と並んで貴重な城郭遺構です。

着到櫓 奥に大手門
いずれも現代の再建ですが、堀を挟んでの櫓と門の景観は、城巡りに来た!という思いを満足させるものでした。

廊下橋 山里から撮影
廊下橋も現代の再建ですが、石垣と堀は往時の遺構で、よくなじんで違和感がありません。

天守台から 廊下橋と山里を見下ろす 背景は旧城内に立つ役所ビル群
山里は山里丸ともいわれる曲輪です。山里に隣接して北之丸があります。

三之丸は現在都市化が進み残された遺構はなさそうですが、西側と南側に家臣の屋敷などが大きく広がり、その外側には外堀が築かれていました。さらにその外側には城下町があり、惣堀で囲まれていたようです。今は一部分しか見るることが出来ませんが本格的な近世の城だったのですね。