流雲片々   ~ 香川県・高松市 曹洞宗 祥福寺 ~

おりおりの風光とよしなし事を思いつくままに。栗林公園の南西、小高い山の中腹に閑居する禅寺和尚の雑記です。

梅開早春

2011年01月10日 | 日記
年末に
松・竹・梅と蘭の寄せ植えを戴き、玄関に飾っています
年末には、蘭は咲いていましたが、梅はまだまだ固い蕾でした

火鉢に炭火だけの玄関ですので
ポカポカ暖かいというわけではありませんので
ようやく数日前に梅が一輪だけ開き始め、満開になりました



まさに「梅開早春」です

梅開早春は
漢文として普通に読むと「梅、早春に開く」となり
「早春になって梅の花が咲く」という解釈になります
しかし
禅の世界では「梅、早春を開く」と読んで
「梅が咲くから早春だ」というふうに解釈します

早春「に」開くと、早春「を」開く

「春に」では、「春というものに出会って、花が咲いたり水が温んだりするのだ」ということ
「春を」では、「花が咲いたり水が温んだりというようなことのすべてが、春なのだ」ということ

同じようでいて、物の見方が全く逆になります

「春に」と言ったときには、春が主人公ですが
「春を」と言ったときには、世の中のすべてのものが主人公です

人がこの世で生きるということもまた然り、ということですね

なんだか、むずかしい話しになってしまいました (^_^;)
コメント
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