広島竹原の酒「龍勢」を楽しむ
侘輔 今日のお酒は広島県のお酒なんだ。
呑助 今まで楽しんだ広島のお酒というと「本州一」梅田酒造、土居亨杜氏のお酒が印象に残っていますね。
侘助 土居杜氏のお酒はメッセージのあるお酒たったのかな。
呑助 広島も酒所だという感じがしますね。それで今日楽しめるお酒は何と言う銘柄のお酒なんですか。
侘助 「龍勢」と言う銘柄の酒なんだ。広島県竹原市にある藤井酒造が醸したお酒なんだ。
呑助 今日のお酒も季節商品なんですか。
侘助 今の時期でしか、楽しむことができない季節限定のお酒なんだ。
呑助 どのような造りのお酒なんですか。
侘助 純米吟醸無濾過生原酒のお酒なんだ。
呑助 酒造米は何ですか。
侘助 広島県の酒造米というと「八反錦」が有名でしよ。同じ八反系の「八反35号」という酒造米を醸している。
呑助 八反系の酒造米で醸したお酒の特徴はどんなところにあるんですか。
侘助 香高く淡麗な味わいに特徴があると言われている。
呑助 新潟のお酒と同じようなお酒だということですか。
侘助 新潟の酒より、少し旨み成分があるような感じかな。
呑助 瀬戸内は酒造米の宝庫なんですよね。兵庫の山田錦、岡山の雄町、広島の八反錦と主要な酒造米はすべて瀬戸内にあるんですね。
侘助 きっと紀行が温暖で、雨量や気温、風が栽培の難しい酒造米に適していたからなんだろうね。
呑助 季節商品だということは何を意味しているんですか。
侘助 特別にお得意の酒販店にのみ卸すことを目的に醸したお酒のことのようだ。タンク一本しか、仕込まないお酒、通年商品の場合は去年のお酒と味が変わってはいけいということがあるのでブレンドして味の調整をするんだけれども、そのようなことをせず、お得意さんへの感謝の気持ちを込めて醸した酒を季節商品と言っている。だから味としては少しグレードが上がっているのではないかと思う。
呑助 今日もまた搾りたての新酒、季節商品のお酒を楽しめるということなんですね。
侘助 楽しんでもらいたんな。藤井酒造のある竹原は小京都と言われているように古い町並みが残る情緒豊かな街のようだ。
呑助 じゃー洗練された味なのかもしれませんね。今回初めて楽しむ酒ですからね。
侘助 藤井酒造の蔵元は言っている。お酒は人が造るものではない。自然の力、微生物の力が醸してくれるものだとね。麹や酵母が元気よく生命活動ができるように配慮すること、このようなことを言っている。まるで産婆のような働きをするのが蔵人だと言っている。
呑助 謙虚な方なんですね。
侘助 自然の営みに謙虚でなければ、美味しいお酒はできないと思う。
呑助 お酒を造るのは酵母なんですものね。
侘助 酵母は今、何をしてもらいたいのかということに耳を澄まして蔵元はじめ蔵人は酒造りをしている。酵母の生命活動を活発化し、最後まで看取るような酒造りみたい。