*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります。*****
御子柴シリーズ最新作
読み始めた途端、神奈川県の障がい者介護施設やまゆり園の事件を思い起こす
本作の舞台は入居・介護費用が高額な”上級国民”向けの高齢者介護施設という設定は池袋の暴走事件を連想させ、中山作品らしい、時機を得た舞台設定だと思う。
介護士だった忍野は9人の入居者を殺め、同僚に取り押さえられた。
本人は、犯行理由に棄民思想を主張する
令和の最凶殺人事件の被疑者弁護に御子柴が手を挙げる
勝機の全くない本事案に御子柴はどう策を打つのか・・・
事件の真相は途中からチラホラ予想がされた
が、周囲の大反対にも関わらず弁護人を引き受けた理由が最後に分かり、御子柴シリーズファンは皆驚いたと思う。
シリーズを読んでいるからこそのサプライズだった。
初出 小説現代 2023年3月号
2023年3月27日 第一刷発行
装幀 岡 孝治
写真提供 ピクスタ