*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります!*****
157回(2017年上)直木賞受賞作
この冬 大泉洋主演で映画公開が予定されている作品
少し前に誉田哲也の「もう、聞こえない」を読んでいて、続けての霊感・オカルト系か・・・と思っていたら予想外の「愛への執着」に戸惑ってしまった。
大雑把に言えば、不慮の交通事故で亡くなった瑠璃が生まれ変わって、当時の恋人に会おうと愛を貫くという話
予知夢で生まれてくる赤ちゃんに「るり」という名をつけた家族。
その娘が成長過程で亡くなった瑠璃の記憶と思いを受けついで、元恋人の三角に合おうと子供ながら画策する
小説なので、奇想天外な物語もありだけど。
私は思いを達成するまで何人にも乗り移る「瑠璃」の執念に怖さを感じてしまった。
また、そんな「瑠璃」の思いの正当化する恋人三角や理解者も不気味
これって、表向き「愛を貫く美談」だけど、乗り移られた少女の個性・意思を全く無視し、周辺を巻き込んで不幸にするダークファンタジー
「正論なら何をやっても構わない」的な展開は苦手
こういうテーマ(死しても愛)にロマンを感じる人もいるんだろうか?
直木賞選評の違いも面白い
亡くなった方はきちんと成仏してもらうのが一番
映画化でこの不気味さを残すのかな。
トレイラーみると違った視点での脚本になっているかも。