*****ご注意!! 一部ネタバレの可能性があります*****
読書後の一番強く湧いた感情は、「時は解決してくれない。問題解決は早目にするべき。例え痛みが伴っても先送りしたら痛みはもっと大きくなる。」だった。
8050問題という言葉はいつから使われるようになったのでしょう?
個人的に不案内でした。
80代の親が引きこもっている50代の子どもの生活を支えている構図を指す言葉だそうです。
2010年代後半から社会問題として取り上げられるようになりました。
小説の冒頭に、住民の女性が亡くなって空家になっていると思っていた住宅が地代未納で差押えになり中から長男と思しき中年男性がでてくる場面があります。
近隣住民はその中年男性の存在を知らず、長年引きこもりで忘れられた存在だった。
同じ町内会の歯科医大澤家が小説の舞台
大澤家にも中学2年から不登校・7年間引きこもりの長男翔太がいる。
姉の結婚が引き金になり、翔太を部屋からだそうとする父正樹は、引きこもりの原因が中学時代のいじめだと知る。
翔太を立ち直らせるためにと、いじめた同級生3人を相手に訴訟を起こす。
ストーリーは大澤家父親の正樹の目を通じて語られていく。
7年前の「いじめ」を認め・謝罪させようと証言を求めて奔走する正樹。
小説らしく、まさかの事件があったり、最後はハッピーエンドではあった。
翔太が再スタートを切れるきっかけにはなったと思うが、それでも7年は誰にとっても長い期間だと思う。