*****ご注意!! 一部ネタバレの可能性があります!*****
光文社が東野作品をより読みやすく文字を大きくした新装版シリーズ
このシリーズの選書は、「今の自分が過去に戻ったら、いい新人が出てきたと思うな 」と東野先生自身が語ったというラインナップ
過去(2020年8月)、同シリーズの「白馬山荘殺人事件(新装版)」を記事にしています。
1992年にカッパ・ノベルスで発表された作品
帯に「試行錯誤していた頃、失敗覚悟のチャレンジ作」と著者の言葉が記されている
男女四人の元スポーツ選手が、ある男性を殺すところから物語は始まる。
この男は彼らが消し去らねばならないドーピングの過去を知る唯一の人物だった。
誤算は殺人現場の男性宅で女性(タランチュラ)の肉体改造が進行中だったこと。
タランチュラは犯人四人を探し出し、常識では考えられない運動能力(俊敏さ、パワー、持久力)で復讐を果たしていく。
謎解きの要素はなく、ただの女性でないタランチュラの姿をあぶり出す警察の動向と女性が襲ってくるのではという恐怖にどう対処しようとする犯人らの思惑が語られている。
美しき凶器とはドーピングで最強の女性に作られたタランチュラのことを指すのではと当初思っていたが、作者の意図するところはどうだったのかな?と考えされる余韻があった。
妊娠させて筋肉増強するドーピングのことを指すのかなとも思ったし、犯人の一人の元女子体操選手のことなのかなとも思った。
今も薬を止められず、保身のために完全に狂ってしまっていた。