*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります!!*****
美貌ながら変人の探偵・城塚翡翠シリーズ第3作目
収録作品は「生者の言伝」と「覗き窓の死角」の2作品
生者の言伝はテレビドラマで放映済
前2作を見ると城塚翡翠シリーズの映像化との相性はバッチリと思う。
「覗き窓」にはファインダーの読み仮名がふってあり、読後書籍のデザインにも納得
TVドラマ化、あるいは映画化されることを見越しての作品なのかもしれないけど、個人的には死体の移送に無理がある気がする。
果たして映像化されるなら、どんな風に描くか、楽しみ
前作 invert と同じく倒叙ミステリで、犯人・犯行現場が冒頭に描かれ、城塚翡翠が殺人を隠そうとする犯人とどう対決していくかというストーリー展開なのだが、犯人が「男子中学生」と「ミステリ好きで知り合った友達」と独特な設定
事件解決の経過中に見える、翡翠なりの配慮や葛藤する姿は、前作感じた殺人犯に容赦ない翡翠の姿に幾重の感情があるのだと知る。
ただただミステリな美少女だった1作目、殺人犯には全く容赦をしない様を徹底的にみせられた2作目
本作では翡翠なりに自分の正義感・使命感の立ち位置と孤独に揺れる心情が見え隠れした感じ。
その翡翠に寄り添う、千和崎真との信頼関係もより掘り下げられて語られていたが、まだ不十分で、次作を期待せずにいられない。
生者の言伝 小説現代 2021年9月号初出
覗き窓の死角 書き下ろし
2022年9月12日第1刷発行
カバーイラスト 遠田志帆
ブックデザイン 坂野公一
覗き窓の死角 書き下ろし
2022年9月12日第1刷発行
カバーイラスト 遠田志帆
ブックデザイン 坂野公一