集改センター恒例の第128回のスキルアップセミナーの報告をいたします。
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開催日:2015年(平成27年)6月3日(水)
テーマ:「管理不全の分譲マンションで、何がおこっているか」
講 師:枝 俊男(NPO法人 集合住宅改善センター副代表、マンション管理士)
<セミナー概要>
■リゾートマンションの現状
バブル期、大量に建設された分譲リゾートマンション。
NHKがレポートした「越後湯沢(苗場スキーリゾート)」のTV放送を視聴しました。
2,500万円のマンションが10万円~100万円に暴落し、よく売れている?
安さで、そこに住みつく購入者はどのような人なのか。
リゾートマンションの管理費は高額、修繕積立金は安い。共用施設(温泉・レストラン・ラウンジ・・・・・)が多いにもかかわらず、修繕計画は進まない。
管理費・修繕積立金の安いマンションの方が、価格は高い傾向があり、そこには、行き場を失った高齢者等が入居。これらのマンションの将来はどうなるのか。今、心配されている、マンションの老朽化・空家化・居住者高齢化・独居老人・滞納等様々な問題の最先端を走っています。
■分譲シニアマンションの現状
高齢化に向けて、ここ数年に販売された「高齢者向け分譲シニアマンション」が様々な問題を抱えている。NPO集改センター寄せられた相談事例(管理問題)を紹介し、問題点を検証した。
都心部・郊外・観光地に作られた「分譲シニアマンション」は当初の販売価格が、竣工10年以内に“半値”や“3分の1”に値下がりしている。
大浴場・レストラン・厨房・ケアルーム・介護浴室・ホームシアター・ゲストルーム等、充実した共用施設・・・・にもかかわらず、通常のマンションより安い修繕積立金。管理費は3万円~5万円。入居権型の有料老人ホームと違い、購入や入居条件はなにもない。取りあえずの購入者、セカンドハウとしての購入者、将来の終の棲家としての購入者等様々です。
マンション販売事業主は売れたらよい式で、誰にでも売ります。完売しても空室が多い、価値観の隔たりの大きい区分所有者が主体となって管理が行えるとは思えません。
~ 次回予告:第129回スキルアップセミナー 7月1日(水)午後3時から ~
テーマ:「修繕か、建替えかの長期修繕計画と問題点」
講 師:上村 允郎氏(集改センター正会員/大規模修繕コンサルタント)
修繕で維持するか、建替えかの判断を金額でシミュレーション。
金額以外でも、様々な問題が浮き彫りになってきています。
長期修繕計画作成の実務で見えてきた問題点を検証し、議論します。