「観音崎灯台」
シーサイドラインを七尾から氷見に向けて走ると、途中の大田より山越えの道となる。この山越えのルートを取らずに崎山半島を海岸沿いに走る道がある。
人家の中を抜け他行き止まりの道の先端、小高い丘「日和山」に灯台は建つ。ここの歴史は古く大正3年に点灯され現在に至る。途中、昭和50年までは灯台職員が居たそうだがその後は無人化されている。現在の建物は昭和60年に改修されたもので、年に一度の灯台祭りには開放されて登ることが出来る。
ここは瀬戸小口を挟んで能登島野崎と向かい合い、富山湾、能登半島は宇出津まで望むことが出来る。
この観音崎の最先端に周囲300メートルほどの小さな島、観音島があり島には観音堂が建つ。
千手観音立像を本尊とし、両脇に阿弥陀如来立像、菩薩形坐像を安置する。また、道内正面中央にかけられている「鹿渡島観音」と書かれた扁額は市指定有形文化財とされる。
毎年、3月15日には涅槃会が行われ、海にたずさわる人々の厚い信仰を集めている。
毎朝、鐘が打ち鳴らされ、堂内には灯火がともされる。観音堂の向に立つ6軒の家が毎日交代で守っている。観音堂と共に生きた証なのであろう。
半島は道が狭く快適なドライブとは言いがたい、でも、人々は優しく、土までもがあたたかい、訪れる人も少なく、いまなお農・漁村の原風景が残る心が癒される。これが土徳なのであろう。
松並木とその遥か彼方には立山連峰を望むことが出来る