しれ~っと再開します。またよろしくお願いします。笑
さて、こちらは昨年の夏に購入しました、スミスのミリタリーウォッチです。
文字盤の6時の上にある↑は「ブロードアロー」
イギリス軍に供給されていた官有物に示されています。
ミリタリーウォッチは軍専用の為、スミスの時計では唯一時計店での販売がされていなかったのです。
スミスの時計の中では希少価値が高く、価格は上昇の一途を辿っています。
スミス好きとしては、憧れの名品ですね。
ラグはバネ棒ではなく、固定式のワイヤーラグです。取り外しが出来ませんので交換の際は注意が必要です。
なお、ラグの幅は厳密に言うと17.5mmという中途半端な幅になっています。
NATOタイプのストラップを装着するのが一般的ですが17mmが一番収まりが良いです。18mmでも装着可能ですが僅かにシワが寄ります。
17mmは取り扱いが少ないですが、Amazonで見つけることが出来ました。
ムーブメントはアストラルと同じモノを使用しているのでハック機能があります。竜頭を引くと秒針が止まるので時刻合わせが楽。
裏蓋は2重構造のスクリューバックで防水性、防塵性を高めています。
軍用ということで頑丈なSS(ステンレススチール)ケースを採用されていることも相まって屈強な印象。
なお、軍の官給品には「用途、製造番号、国番号、製造年」などがコード化され裏蓋に刻印されています。
刻印はW10/6645-99-961-4045 5067/68
W10:陸軍用のアーミーコード
6645:腕時計
99:イギリス(国番号)
961-4045:アイテムコード
5067:製造番号
68:1968年(製造年)
という意味になります。
ちなみにSMITHSのロゴの下、丸印に「T」のプリントがありますが、これは夜光塗料の素材であるトリチウム(Tritium)のTです。
トリチウムは放射性物質なんですが、エネルギーは非常に弱く放射線を人体に受けても皮膚で止まってしまいます。体内に取り込んでも新陳代謝などにより体外に排出されるので体に溜まっていくこともありません。
さらに12年ほどで元の放射線量の半分程度まで減ってしまう(半減期)ので、ほとんど影響はないのでご安心を。この時計は1968年製ですので、まぁ殆ど心配はいらないです。
なお夜光塗料としての機能は失っており、全く光りません。
トリチウムを使用する前、夜光塗料には放射線量が遥かに高いラジウムが使われており、これが有名な「ラジウムガールズ」の悲劇を生むわけです。
ラジウムは半減期が1602年もあり、この当時のラジウム時計はトリチウム夜行とは違い今でも煌々と光り続けてるそう。なお使用量は僅かである為、風防などで放射線はカットできるので腕に着用しても問題にならないそう。気になりますね。
こういったことがあって、夜光塗料も進化し続けて、ラジウムからトリチウム。そして放射性物質を含まない蓄光塗料のルミノバが開発され主流となっていきました。
話が脱線しましたが、夜光塗料にも色々歴史があって調べると面白いです。
なお、このスミスのミリタリーウォッチ。インスタなどで見ているとTマークがLマークになっているものをいくつか見ました。
LマークのモノはイギリスのTimefactorsという会社が販売しているレプリカ品(偽物)ですので、お間違えの無いように。ルミノバ(Luminova)のLですね。
ムーブメントも全く違ったモノを使用しています。ケースと文字盤だけ似せた代物です。。。現存するスミス社には許可を取らずに作ったそうで。。。笑
Lマーク以外にも文字盤下部のMADE IN ENGLANDがGREAT BRITAINになっていたり、分針と時針の夜光塗料の塗り方が異なっているので、見分けることが出来ます。
値段も安いので最初は本当に購入を検討しましたが、やめておいて良かったです。
夏に差し掛かってくると汗で革ベルトの時計を使用するのが厳しくなってきます。
やはりこの時期はNATOタイプのベルトが似合う時計が気分です。
↓私が購入した17mmのナイロンベルトのリンクを貼っておきます。なかなか良きです。