100分de名著 『古今和歌集』
第3回 歌は世につれ、世は歌につれ 「携帯4
「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」。心あらばという桜への呼びかけがこの歌の中核だ。
心をもたない存在に心を求めるという表現は「古今集」の真骨頂。
桜が墨染めに咲くことはありえない。不可能なことを望むのはそれだけ悲しみが深いから。
このように「古今集」におさめられた和歌は、人の生死、別離の哀惜、愛する人への祈りなど、人生そのものを深く描く。
第三回は、人生の折々に読まれた和歌をピックアップし、人の世の不思議さに迫っていく。
Aria - Acker Bilk
平安時代の公卿・小野 篁 たかむら (802~52年)は昼は朝廷の役人、夜は 冥界 めいかい で 閻魔 えんま 大王の裁判の手伝いをしたという。
平安京の東の葬送の地だった 鳥辺野 とりべの に通ずる、この世とあの世の境「六道の辻」に立つ六道珍皇寺の境内には、篁が冥土通いに使ったと伝わる井戸がある。
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