宇宙(そら)は家

宇宙(そら)へ還ろう! 
五井先生は、両手を
広げて待って
いらっしゃいます。
(リンクフリー)

短 信(28)

2014-04-09 08:22:14 | 祈り
 御手紙拝見致しました。祈りの同志
にとって、祈りの他に、大切なことがあれば
教えて欲しいという内容の御手紙
かと思います。

 世界平和の祈りをする、その次に
大事なことは、聴くということであります。

 祈りと、聴くことは、実は一体でありまして、
どちらが第一、第二と、順番をつけられる
ものではありません。

 聴くということは、どういうことかというと、
まごころを込めて相手のなかに入る、その
気持ち、その心、そして、その人を
生かしめている本心の光と一体となる
ということであります。単に、相手の
話している言葉を聞くのではありません。

 たとえば、私が「あ」といえば、みなさん、
五井先生が「あ」といったということは
わかります。けれども、私がどういう気持ちで、
あるいは、どういう言葉を次につなげて、
何を話そうとしているかを知ろうとおもえば、
自然、心を集中して、私の出した言葉の
ひびきをききとろうとなさるでしょう。

 聴くということは、この言葉のひびきを
感じとることなのであります。

 出された言葉の奥にある、その人自身の
心のひびきをたずねることなのであります。
 そうして、その心のひびきと、きき手
であるあなた自身の心のひびきとが、
同化し、一体となる、つまりは、あなたの
いのちと、その人のいのちとが抱き合う
ということに他ならないのであります。

 すべての祈り、ことに、私どもの
世界平和の祈りは、神様が、私ども
一人一人の祈りをとおして、個々の
ひびきを感じ取って下さり、無限の愛の
光を流し込んで下さる……そしてまた、
光のシャワーを神様の愛によって
そそがれた私達が、私達自身のなかに
みちている神様の光を放射して、いわば、
光と光が交流し合う、愛と愛、やさしさと
やさしさとが交流し合うのが、世界平和の
祈りであり、統一であるのであります。

 いいかえますと、この祈りをとおして、
神様は、つねに私どもの声を心を聴いて
下さっているということが、ここでいえます。
 私どもは、つねに、神様の愛に抱かれ、
心に抱かれ、聴いていただける幸せの
なかに生きているのであります。

 そこで、私どももまた、心を込めて、聴く
ということが大事なのであります。相手の
表情、表面的な言葉にとらわれず、
相手をそのままに抱くということが
大切になって参ります。

 祈りというものは、自己をそのままに
投げ出し、光となって、神の心を聴く
ということであります。この祈りによって、
聴くことのよろこびを、十分に知らされ
ている私どもの心は、さらに寛やかに
なるために、(相手を抱くために)
やさしさと、素直さとを、自分自身に
たくわえてゆくことが是非とも必要と
なってくる
のであります。

 神は無限の愛だと申し上げました。その
無限の愛を成り立たせているものは、
神のみこころの朗らかさと私どもに対する
無限のやさしさであります。

 新約聖書のなかに伝道者パウロの
かきましたいくつかの手紙が入って
おりますが、そのなかの一つ「コリント人
への第一の手紙」第十三章は、一般に
愛の章とよばれております。つづめて
申しますと、もし愛がなければ、どんな
言葉も行為も、無に等しいということを、
彼はここで述べているのであります。
  この愛とは、やさしさであり、朗らかさ
でありましょう。

 先程、私が述べました素直さへと、
これはまっすぐにつながってゆくもの
であります。

 いかに社会的な地位があり、また、富が
あり、名声があったと致しましても、神を
求める心において、謙虚さを失った時、
その人の光はにぶるのであります。

 そうして、神を求める心とは、教義に
述べた自分を赦し人を赦し、自分を愛し
人を愛す、ということにほかならない
のであります。

 神は特別な世界、存在ではない。神様を
はなれて、私どものいのちの活きづきは
ゆるされないのであります。この神様は、
かつて、一度も、私どもを離れられた
ことがないのであります。

 ですから、自分に人に、そうして神に
素直ということは、すなわち、人を
容れる心、聴く心と一つであるという
ことがいえるのであります。

 どうぞやさしい心、素直な心を持って、
自分自身をやわらげ、またつよくし、
そのやさしさと素直さをもって心から
色々の人の話を聴いて下さいますように。

 神様はどこまでもやさしい方
でありますから、あなたも、生き得るかぎり
やさしく、言葉に光をながすように、言葉を
粗末に出さず、言葉の奥にあるひびきを
たずねて下さるようにと祈るものであります。

 どうぞ、どこまでもやさしくあって下さい。

 世界人類が平和でありますように
             合 掌
              昌 久