こんばんは。
本日の京都は夕方から少し冷えてきたものの、
日中はとても暖かく、いいお天気の一日でした。
今月最初の日曜日、みなさまいかがお過ごしでしたか?
さて。
日付は一日後退し、本日は昨日のお話です。
宗流は昨日、京都を離れ兵庫県は神戸まで
お出かけしてきました。
もちろん、毎度の事ながらお仕事の一環です。
そして相も変わらず今回も会社の社長がお相手です。
今回の神戸ツアー(?)の目的は、神戸市立博物館で開催された
「日本・東洋美術名品展・美しきアジアの玉手箱」の観覧。
来年秋以降の商品作りの参考がてらお勉強に行ってきました。
(↓下は今回の名品展のフライヤー。なかなかステキな構図です!)
今回は「アジア」というコンセプトも手伝ってか、
誰もが一度は目や耳にされた事のある作家も勢ぞろいでした。
ですが、残念ながら今回は画像の取り込みがあまり上手くいかず
ご紹介できる点数が少ないです。ゴメンナサイ~^^;
では、気を取り直して…まずは一点目から。
…ちょっと小さい画像で見づらいのですが、
葛飾北斎の「五美人画」です。
浮世絵画家の代表格とも言える北斎。
中でも「富嶽三十六景」はあまりにも有名です。
また北斎は浮世絵だけでなく、挿絵や春画に至るまで3万点にも上る
作品を世に残したと言われています。
この五美人画は貴婦人とおぼしき女性から花魁、揚帽子の女性
など見目麗しい五人の女性の競演の図です。
なよやかな姿形や柔らかな衣装など、タイプの違う美人像を用いる事で
それぞれの女性ならではの美しさが描き出された画ではないでしょうか。
現代の女性美とはまた違う観点の美を再認識できる逸品に思います。
二枚目は「烏図」です。
こちらは作者や正確な時代、また何のために描かれたかが不明な画です。
しかし、画像では分かりづらいのですが、実物は一羽一羽の羽根の様子や
烏の目などが、一色に見える濃色の中で描き分けられています。
簡素な色遣いではありながらも、作者の観察眼や表現力が
余すところなく巧みに用いられているのでしょう。
金泥のバックに墨色のモチーフというデザインは、数世紀前の作品とはいえ
いま目の前にしても構成の威圧感やアバンギャルドさに
圧倒されそうな迫力と、焦燥感に似た感覚を覚えずにはいられません。
今回の出品アイテムの中でも、宗流一番の見どころでした。
三枚目は「鹿下絵和歌巻」です。
全体はこちらから→鹿下絵和歌巻
こちらは琳派の創始者ともいわれる本阿弥光悦(書)と
同じく琳派画家の代表と評され、風神雷神でおなじみの俵屋宗達(画)の共作です。
上の画像ではほんの一部だけのご紹介ですが、
この巻書には新古今和歌集から28首がしたためられています。
そして実際は20m以上あるものですが、現在はその部分部分が切り取られ
各美術館などに所蔵されているとの事。
そして何よりも特筆されるべき事として、
この作品…ものすごいコラボレーションです!
書であって書でもなく、画であって画でない気がします。
光悦の書の計算されたデザイン性も、
書の行間を際立たせる宗達の画も、
お互いの相乗効果によってその味わいを深めつつ
一つの「鹿下絵和歌巻」という、あるべき姿の結果が生まれた。
宗流はそんな風に感じます。
今回のこの催しは、シアトル美術館のコレクションで、
この「美しきアジアの玉手箱」にはその中の約100点ほどが
神戸市立博物館にて展示されていました。
日本でも屈指の名作家の作品が海外の美術館に所蔵されている。
それはそれで日本の芸術に対する評価なのでしょうが、
こうして日本の名品が里帰り的にこの地を踏むという事、
そして、そうした催しがなければその存在価値を再認識する機会がない事、
それに対して少しの寂しさを感じるのは気のせいでしょうかね。
※(残念ながらこの「美しきアジアの玉手箱」は12/6で終了しました)
さてさて。
そんな宗流の「神戸ツアー」ですが、この後は普通にお仕事が
詰まっていたため、神戸滞在時間はわずか三時間程度でした(泣)
現在開催中のルミナリエもライトアップされていない
電球が消えた状態を眺めただけです(号泣)
思わず…明けのネオン街の侘しさを思い浮かべましたね…。
宗流の大好きな旧居留地にある、大丸インテリア館でのティータイムも
南京町の美味しい中華料理も、神戸ハーバーランドの散策も
もちろんあるはずがありません(大号泣)
でも…うちの社長とデートしても仕方ないので
本格的な神戸デートは、また後日決行するぞ!
と、かたく心に誓う宗流でした。
それでは、新しい一週間も素敵な日々でありますように♪
宗流
和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp