ス ズ メ
8月6日,阿見町にて撮影
稲穂が稔り始め,頭が垂れてきた。
しかし,以前はこの時期に田んぼのそばを通ると,スズメの群れが飛び立ったものだが,今はその気配がない。この静けさは不気味である。
スズメは,粒内のデンプンが固まり始める乳熟期の稲穂が好物で,穂を嘴でくわえてしごき,滲み出してくる糊をなめる。今まさにその時期なのに,1羽のスズメも見られない。いつからか,スズメは姿を消してしまった。
ネットで調べたところでは,日本に生息するスズメの総数は1800万羽だが,この数は半世紀前に比べると90%の減少だという。
原因はやはり人間の開発にあるとのことで,家屋の構造が変わってきて,営巣に適した場所が少なくなったこと,および田園の減少や舗装道路の増加から餌場が減ってきたことが挙げられている。
しかし,わたしには,半世紀で90%という驚異的な現象を説明するには,これだけでは不十分な気がする。人間の経済活動の結果から生じる何か複合的な,人間にも襲いかかってくるような変化があると考えるのは,間違っているだろうか。
STOP WAR!