羽花山人日記

徒然なるままに

国葬

2022-08-12 16:05:17 | 日記

国      葬

安倍晋三元首相の国葬に関して,さまざまな意見が交わされている。わたし自身は,この国葬がどうも咀嚼できない。

安倍氏の死去は心から痛ましく思い,銃撃事件はあってはならないと断じたことは,すでにブログに記した。しかし,その「死」の扱い方については,立場によって様々であろう。

国葬は閣議決定によって行われる。今回の場合は,岸田首相の発議によって内閣が決定し,国葬の名のもとに,国費が使われ,国民には喪に服すことが要望される。吉田茂元首相の場合がそうであった。

わたしには,今回の国葬が,国家権力によって安倍氏の政治家としての業績をたたえ,それを国民に共有化させるという意図があるように思えてならない。

仮にその意図があったとしても,それは貫徹しないのではないか。7月16日の「朝日川柳」では,選ばれた7句が全て安倍氏の国葬批判で,さすがにこれはやり過ぎとの声があったらしいが,時事通信が8月に行った世論調査では,反対が47.3%で,賛成の30.5%を大きく上回っていた。

安倍元首相銃撃事件をめぐって,次のようなことがあった。

3年前の参議院選挙に際して,当時の安倍首相が札幌で街頭演説を行った時,野次を飛ばした人たちが警察によって排除された。その中の男女二人が,この警察の行為を表現の自由に対する侵害として,賠償請求を要求する民事訴訟を起こした。今年の3月25日に,札幌地裁は原告の主張を認めて,北海道に賠償を命じる判決を下した。

このことをめぐって,このような判決があったから,警察の警備がおろそかになって,安部元首相が殺されたのだという非難が原告の二人に寄せられる「炎上」があったという。この論理は,「風が吹けば桶屋がもうかる」の類であるが,安部氏の死をモチーフにした魔女狩りと言ってもいいだろう。

国葬にこめられた意図が何であれ,それに関して自由に意見を表明できる社会であることが重要である。

 

エヴィータの墓

ブエノスアイレスにて,2002年撮影

エヴィータの愛称で呼ばれ,その生涯がブロードウェイミュージカルになった,アルゼンチンの元大統領フアン・ペロンの妻で,33歳子宮がんで亡くなったエヴァ・ペロンの墓である。彼女に関しては毀誉褒貶様々であるが,恩恵を受けた庶民の女性たちには依然として人気があり,墓前に供花が絶えない。

 

STOP WAR!

コメント (3)
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