リンゴ追分
テレビの画面を撮影
8月20日に放映された『おんがく交差点』のゲストは,津軽笛奏者の佐藤ぶん太さんだった。
この番組ではじめて知ったことだが,津軽笛とは青森県の祭事に吹かれる笛で,弘前のねぶた,青森のねぶたというように,地域性があるとのこと,郷愁を誘う澄んだ音色は祭りの夜空にひびく情景を連想させる。
ぶん太さんのお話で興味深いものがいくつかあったが,師匠とのかかわりの逸話が印象的だった。
ぶん太さんは津軽笛の最高位を決めるコンクールで6回優勝しているが,師匠に「お前の笛は嫌いだ」と叱られたという。衝撃を受けたぶん太さんが気づいたことは,自分が天狗になっていていやらしい演奏をしているということだった。
笛を止めようかと悩んだ末に得た結論は,自分の笛を通して岩木山や神々が奏でているという気持ちで吹くということだった。そして,この前後を通して変わったことは,「ありがとう」という回数が増えたことだったという。
番組のホステス大谷康子さんとのコラボ,『お山参詣登山囃子』では,ぶん太さんが大谷さんのヴァイオリンを誘い込み,大谷さんがそれに巧みに乗っていくという素晴らしい演奏だったが,これとは別にわたしが感激したのは,大谷さんの『リンゴ追分』だった。
わたしがもっとも敬愛する演歌歌手の一人,美空ひばりが歌うこの曲は,元々好きだったのだが,コカリナのアンサンブルにつけた,ウッドブロックとスレイベルによるわたしのパーカッションが割と好評で,一層思い入れのある曲になっている。
大谷さんはひばりの歌唱をよほど聴きこんだのだろう。その歌声を見事にヴァイオリンの弦に乗せて,鳥肌が立つ演奏だった。
このビデオは永久保存にしよう。
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