フラメンコ
昨日、上野の東京文化会館で行われた「スペイン国立バレエ団」の公演に行ってきた。
カミさんと一緒に行く予定だったが、まだ回復不十分のため、娘にピンチヒッターを頼んだ。
上野公園はすっかり秋色。日曜日とあって家族連れが目立った。幼い兄弟が手をつないで歩いているのを見て、もうすっかり成人になっている、娘にとっては子供の、わたしにとっては孫の、幼いころのことを思い出していた。
公演は素晴らしかった。世界最高峰のフラメンコに堪能した。カミさんに見せたかった。
全体を通して照明が抑えられ、最初はよく見えないように思ったが、眼が慣れてくるにつれて幻想的な雰囲気が踊りにマッチしていた。また、照明の操り方が巧みで、踊り手たちの演技の連続性が保たれていた
第一部はオーケストラの演奏(録音)に乗った群舞が中心だった。
プログラムによれば「祈り」が中心テーマで、きびきびした動きの中に、フラメンコに象徴されるスペインへの郷愁が感じられた。
第二部には「フラメンコ・ミュージシャン」が舞台に登場し、ギター、パーカッション、カンテ(歌唱)で雰囲気を盛り上げた。この音楽を聴くだけでも楽しい。
「フラメンコ組曲」、「5人の闘牛士」、「神に召されし者のロマンセ」などと名付けられた、ソロの踊り手を中心にしたプログラムで、いずれも名手によるフラメンコがたっぷりと披露された。
カーテンコールの後、拍手に応えてバレエ団全員によるパフォーマンスが3回も繰り返された。
何年か前、スペインにツアーで旅行した時、アンダルシアの洞窟で行われるロマの家族によるフラメンコのショーに、コンダクターさんが案内してくれた。ロマの伝統の中で育まれた歌と踊りに感動したことを覚えている。
今回の国立舞踊団によるフラメンコはそれとは異質なものを感じさせてくれた。華やかさの中にもペーソスがあり、それはそれで圧倒的な素晴らしさがあった。
会場を出た後、戻ってもう一回観ることができればいいのにと思った。
STOP WAR!
奥様の回復を願っています。