駅から人が、どっとあふれ出してきて、彼らサラリーマンはそれぞれの職場に向かう。
そんな中、オレはその流れとは真逆に、そのターミナル駅に向かう。
流れと逆行しているオレに対し、サラリーマンたちはチラチラと視線を向ける。「こいつ、何なんだ?」といわんばかりに。
オレはその、若干否定的な視線を向けられるたびに優越感に浸ることができる。
なぜならば、これが「勝ち組」の一形態だと信じているから。
「人の流れ」というのは多数派である。それに対して、このターミナル駅でのオレはマイノリティである。それでいいのだ。オレはこの人生を「選択」してるわけだから。
多数派の中で、自分の人生を意識的に「選択」してるヤツは驚くほど少ない。
☆ここに出てくる「オレ」は必ずしてもオレってわけじゃなくてね。あくまでこのフィクションの主人公ね。