絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

デューラー

2009-10-10 | 美術
ルネッサンスを語るとき、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロが出てきますが、この三人について、よく把握できると、その他の人たちを学ぶのに、とても都合がよいと思います。

私は、歴史の年表の代わりに、この三人を使います。

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例えば、オスマントルコがコンスタンチノープルを陥落させて、東ローマ帝国を滅亡させます。それは、1453年でした。私は、これをレオナルドが1歳の時なんだなと覚えました。

1492年にメヂチ家のロレンツォ豪華王が亡くなります。この年にコロンブスが新大陸を発見します。レオナルドが40歳の時だと覚えました。最後の晩餐を描く少し前ですね。(最後の晩餐を描く3年前)

こんな風に、覚えると楽しいですよ。

もう一つ、調子づいて言えば、ミケランジェロが亡くなった年にシェークスピアが生まれました。ミケランジェロは89歳で亡くなったのだから、1764年という数字が出て来ます。

これは、以前お話しした、ボッチチェリーが1444年生まれで、その8歳下がレオナルド、その23歳下がミケランジェロ、その8歳下がラファエロと覚えると覚えやすいですよといいましたが、それをベースにしています。

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前置きが長くなりましたが、今日の本題に入ります。

ドイツのデューラーです。

とても有名なので、ご存知の方も多いと思いますが、この画家は、1471年生まれです。1528年に亡くなりました。

ということは、ミケランジェロが1475年生まれですから、ミケランジェロより4歳年上です。レオナルドより19歳年下になります。

私はそのように、比べます。

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この画家は、自画像を初めて描いた人と覚えると良いでしょう。

実は、それは間違いです。

なぜなら、ボッチチェリーが絵の中に自画像を描きこんでいます。(1475年の
東方三博士の礼拝)
また、その他に知られていない画家が自画像を描いているかもしれません。
だから、真実はわかりませんが、自画像として、単独で肖像画のように描いた画家として有名なのは、このデューラーが最初と思えば良いのです。

この頃、今のガラスを使った鏡が作られるようになったそうです。
そのことも、自画像が描かれるようになった理由です。

まず、最初の自画像は、デューラーが22歳の時のものです。



この後、27歳で描いた自画像が有名です。
この絵は、自分を貴族のように見せたくて、描いたものです。
画家がまだ、職人としてしか扱われず、低く見られていることに反発して、職人ではなく、芸術家だと言いたかったのでしょう。


次に28歳で描いた自画像が有名です。
これは、自分をキリストに見立てて、描いたものだそうです。


自画像として、この三点を覚えて置くと良いと思います。

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後は、デューらというと、デッサンがすごいです。
それを表す絵として、以下の二点を知っておくと良いと思います。
 


人生については、私はあまり把握していません。
美術史的には、1500年からの30年間くらいを盛期ルネッサンスと言われますから、デューラーの人生は、丁度その時期に当たる訳です。ただし、住んでいるところが違いますから、一緒には語れませんが。

レオナルドがミラノで最後の晩餐を描き始める少し前に、ロレンツォ豪華王が亡くなって、コロンブスが新大陸を発見し、デューラーが自画像を描き始めたということです。



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