絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

レオナルドの絵

2009-08-16 | 美術
これは、レオナルドが、ベロッキョ先生の絵を手伝って描いた絵です。

左側の子供を描きました。あまりに上手いので、先生が参ったという絵です。
この後、絵の注文が来ると、先生は全てレオナルドに任せて、自分は絵を描かなくなってしまったということです。

ピカソのエピソードと同じ話ですね。

本当でしょうか。

この話は、結構本当かなと私は考えています。
なぜなら、この頃は工房と言って、芸術請負業なのです。
絵の注文が来れば絵を描いて、彫刻を頼まれれば彫刻を作って、建築なら建築をという感じで、何でもやったのです。だから、請け負った仕事をこれは誰に任せて、これは誰が担当してという具合に分担しました。当然の如く、誰は何が得意だとかいうことが出てくるわけですから、レオナルドが絵が上手だとなれば、レオナルドに絵を任せるのは当たり前でしょう。
ただ、レオナルドの絵の素晴らしさに脱帽して、ベロッキョ先生が絵を描くのが嫌になったかどうかは、わかりません。しかし、そのように伝えられています。

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この絵は、キリストの洗礼という絵です。

ヨルダン川で、ヨハネが人々に洗礼を与えていました。
そこへ、キリストが現れて、洗礼をしてくれるように頼みます。ヨハネは、キリストに何かを感じて、「私があなたに洗礼を与えて良いのでしょうか?」と尋ねたといいます。しかし、キリストはお願いをしたので、洗礼をしたという話です。

その場面を描いたのです。
主要な部分は、ベロッキョ先生が描きました。

私は、この絵をウフィッツィ美術館で見たとき、気がつきませんでしたが、絵の上部に神の手が描かれているんですね。結構、見落としますよ。

そして、その下に白い鳩、下にはキリスト。これは、神と子と聖霊は一体なりという三位一体が描かれている絵なのです。それを知らないで見ていました。

鳩は、聖霊です。

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レオナルドの素晴らしさは、髪の毛の表現や、眼に光を描き込んだ点だと言われています。もちろんスフマートによる柔らかさもあるでしょう。
その辺が、先生をうならせた原因だったかもしれません。

それまでの画家ができなかったことをやってしまったです。



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また、空気遠近法が使われていますが、この背景もレオナルドが描いたものだろうと言われています。それも画期的なことでした。

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