🐾救援所における自助・共助・公助
救援所で一番多い苦情は鳴き声と臭いとのことです。
トラブルにならないよう、
飼い主さんは気をつけて飼育管理してください。
<*以下、文章の都合上、敬称略で「飼い主」と記します>
<自助>
・ペットのエサ、水、薬、シーツなどの必要な物は自分で準備する。
・救援所にケージやクレートはありません。飼い主が用意してください。
ケージに慣れるようにしておきましょう。
・自分のペットは責任を持って、迷惑をかけないよう飼い主が飼養管理。
<共助>
・被災して必要な物が持ち出せなかった飼い主にはお互い
融通しあいましょう。
・家が無事だった方は被災ペットを一時預かりしたり、
ケージや用品があれば貸してあげてください。
・負傷などで動けない飼い主のペットの給餌や散歩の代行。
(*逸走や事故に十分注意し、ベテラン飼い主やボランティアが行う)
・届けられた迷子動物を、可能であれば移送されるまで飼養管理。
・協力してペット飼育スペースの掃除、消毒、汚物の処理。
・救援所の指示に従い、救援物資などの搬入、仕分け、配分。
<公助>
・同行避難の受入れ、ペット飼育スペースと設営資材、救援物資の提供など
★救援所でのペットの飼養には飼い主の
<自助>と<共助>がとても大切です。
協力しあって危機を乗り越えましょう!
当ブログで記している事柄は多くの自治体のガイドラインに
提示されているものです。
ただ、環境省の指針は全国を対象にしており、都市部と地方では
家庭動物の飼い方も異なり、救援所それぞれの事情もあるので、
最終的には、救援所と「飼い主の会」との話し合いに委ねられる
面もあるでしょう。
EX: 地方では番犬として、中型犬の外飼いも多いが、
都市部では小型犬の室内飼育が多い。
地方では外出自由猫が多いが、都市部では室内飼育が多数。
例えば、飼育スペースが校庭のテントになった場合、風雨の問題
もありますが、猫の逸走が非常に心配されます。
屋外で猫や小動物が逸走した場合、捕獲は至難です。
また、猫のケージを持ち出せたとしても、通常は2段、3段と大きく、
救援所での飼育には不向きです。
以下のような折り畳めるポータブルケージや
キャリーケースでの飼育は短期間に限られます。
ケージを布で覆い、猫を落ち着かせる
*熊本地震で避難所に同行避難した犬は156頭、猫は17頭。
<飼い主との同室避難は可能か?>
多くの災害時、少数ですが実施されています。
実施先は救援所(学校)ではないケースも。
新潟県や埼玉県のガイドラインでは、
一般避難者の居室と離して(動線が交わらないように)
ペットと飼い主の同室避難を提示しています。
スペースなど、救援所の状況にもよりますが、
同室避難は、一般避難者にも運営側にも合理的な
飼育管理です。
飼い主が一緒にいることで、ペットは落ち着き、鳴き声が
抑えられ、糞尿の処理も近くにいればすぐにできます。
鳴き声と臭いという最大の問題に対処しやすいのです。
衛生環境を保つため、飼い主は協力して、
清掃と消毒を徹底的に行う必要があります。
飼い主たち自身で、ブルーシートや清掃道具などを用意し、
動物を人と一緒に、ではなく、動物の近くで管理したいという
アプローチで運営スタッフと話し合ってみてください。
同室避難であっても、基本的にケージ飼育となります。
体験者談によれば、どの動物もおとなしく過ごしていたとのこと。
鳴き声や迷惑をかけるペットは同室では過ごせません。
~ストレスの大きい救援所での飼育~
基本的なしつけは必須です。が、普段とは異なる環境下、
ペットの気質にもよりますが、相当のストレスがかかることは否めません。
飼い主もペットがどのような行動をとるか読めません。
「飼い主がいないと吠える」「とても神経質」「猫の多頭飼い」
など、救援所での飼育が難しいケースもあります。
⑤救援所以外の選択肢は? につづきます。
震災救援所での防災イベント
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