杉並どうぶつ相談員

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④震災救援所でのペット飼育・その2

2023-03-13 16:55:34 | ペット防災・災害時対策

🐾救援所における自助・共助・公助

救援所で一番多い苦情は鳴き声と臭いとのことです。
トラブルにならないよう、
飼い主さんは気をつけて飼育管理してください。

<*以下、文章の都合上、敬称略で「飼い主」と記します>

<自助>

 ・ペットのエサ、水、薬、シーツなどの必要な物は自分で準備する。
 ・救援所にケージや
クレートはありません。飼い主が用意してください。
  ケージに慣れるようにしておきましょう。
 ・自分のペットは責任を持って、迷惑をかけないよう飼い主が飼養管理。

<共助>

 ・被災して必要な物が持ち出せなかった飼い主にはお互い
  融通しあいましょう。
 ・家が無事だった方は被災ペットを一時預かりしたり、
  ケージや用品があれば貸してあげてください。
 ・負傷などで動けない飼い主のペットの給餌や散歩の代行。
  (*逸走や事故に十分注意し、ベテラン飼い主やボランティアが行う)
 ・届けられた迷子動物を、可能であれば移送されるまで飼養管理。
 ・協力してペット飼育スペースの掃除、消毒、汚物の処理。
 ・救援所の指示に従い、救援物資などの搬入、仕分け、配分。

<公助>

 ・同行避難の受入れ、ペット飼育スペースと設営資材、救援物資の提供など

救援所でのペットの飼養には飼い主の
 <自助>と<共助>がとても大切です。
 協力しあって危機を乗り越えましょう!

 

当ブログで記している事柄は多くの自治体のガイドラインに
提示されているものです。
ただ、環境省の指針は全国を対象にしており、都市部と地方では
家庭動物の飼い方も異なり、救援所それぞれの事情もあるので、
最終的には、救援所と「飼い主の会」との話し合いに委ねられる
面もあるでしょう。

EX: 地方では番犬として、中型犬の外飼いも多いが、
   都市部では小型犬の室内飼育が多い。
  地方では外出自由猫が多いが、都市部では室内飼育が多数。

例えば、飼育スペースが校庭のテントになった場合、風雨の問題
もありますが、猫の逸走が非常に心配されます。
屋外で猫や小動物が逸走した場合、捕獲は至難です。
また、猫のケージを持ち出せたとしても、通常は2段、3段と大きく、
救援所での飼育には不向きです。
以下のような折り畳めるポータブルケージや
キャリーケースでの飼育は短期間に限られます。


ケージを布で覆い、猫を落ち着かせる

*熊本地震で避難所に同行避難した犬は156頭、猫は17頭。

 

<飼い主との同室避難は可能か?>

多くの災害時、少数ですが実施されています。
実施先は救援所(学校)ではないケースも。

新潟県や埼玉県のガイドラインでは、
一般避難者の居室と離して(動線が交わらないように)
ペットと飼い主の同室避難を提示しています。

スペースなど、救援所の状況にもよりますが、
同室避難は、一般避難者にも運営側にも合理的な
飼育管理です。
飼い主が一緒にいることで、ペットは落ち着き、鳴き声が
抑えられ、糞尿の処理も近くにいればすぐにできます。
鳴き声と臭いという最大の問題に対処しやすいのです。

衛生環境を保つため、飼い主は協力して、
清掃と消毒を徹底的に行う必要があります。
飼い主たち自身で、ブルーシートや清掃道具などを用意し、
動物を人と一緒に、ではなく、動物の近くで管理したいという
アプローチで運営スタッフと話し合ってみてください。

同室避難であっても、基本的にケージ飼育となります。
体験者談によれば、どの動物もおとなしく過ごしていたとのこと。
鳴き声や迷惑をかけるペットは同室では過ごせません。

~ストレスの大きい救援所での飼育~

基本的なしつけは必須です。が、普段とは異なる環境下、
ペットの気質にもよりますが、相当のストレスがかかることは否めません。
飼い主もペットがどのような行動をとるか読めません。

「飼い主がいないと吠える」「とても神経質」「猫の多頭飼い」
など、救援所での飼育が難しいケースもあります。

 

⑤救援所以外の選択肢は? につづきます。

 

⑤救援所以外の選択肢は? - 杉並どうぶつ相談員

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