運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

二人の竜也

2006年09月19日 23時10分53秒 | Weblog
二人の竜也・・さて誰でしょう。
元、米米クラブで一世を風靡したカールスモーキー石井こと石井竜也と、「愛のコリーダ」などの映画でもテレビでも売れまくったひげの俳優、藤竜也。
何で、そんな話題なの?というと、もうずいぶん前に(ここで正確なことを調べてから書かないところが私のいい加減なところだ)石井竜也が監督をして制作した映画「アクリ」のことを思い出したから。
ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。観月ありさちゃんが人魚の役なんかやって
結構話題になりましたから。
 映画としては、悲しいかな、ああいう、人魚などという、キワモノというかファンタジックなのを邦画でやるとどうしても、こう、のめりこめない作り物っぽさが出てしまうのだけれど、それでも!! それを補って余りある、と私が勝手に思っている1シーンがあり、この1シーンのためだけにレンタル料を払っても惜しくない、そう思ってDVDレンタルをお勧めするのは、主人公を演じる浅野忠信と、藤達也が演じる教授が、まだ出会う前に大学の構内のこちらとあちらで、お互いに別のほうを別のことを考えながら、すれちがっていく瞬間にスーーーっとスローモーションがかかり、運命の風が通り過ぎるシーン。
ここの演出がグッととくる。
このあたりはきっと、若い方の竜也こと石井竜也監督が狙ったことなんだろうと思うと、彼も、きっと、『運命に出会う瞬間』が好きなのに違いない。
なあんて、勝手にそう思ってしまう。
 そして、白いTシャツにGパンが売り物で、いつも同じ角度からしか写真を撮らせないと聞いていて、そういうところがゆるせーん、たれ目のスケベ目のくせにー、なんて思っていた藤竜也が、いい具合に年を重ねて、意外やいい俳優さんに
なっていっていることもこの映画で知った。
その感は、その後も黒沢清の『アカルイミイ』なんかで、ますます強くなったが、
この『アクリ』が、藤竜也をみなおした最初の作品だったわけ。
お暇でしたら、こんな映画もあったのかあと、ご検証くださいませませ。

 更新しなきゃ、と思いつつなかなかこのブログをかけないままだったこのところ、今日のはかなり乱暴に個人的、主観的、決めつけのままの一編とあいなりました。二人の竜也さん、ごめんなさい。