早いもので、あと数時間で師走、2010年の12月になる。
今年は、振り返れば、いろんなところへ行った。
一年半前までの日々からは、あり得ないことだった。
でも、ふと、これは、天から与えていただいた、私のお遍路だったんだ、と気がついた。
考えてみれば
幼子から、10代になるまで子供を育てるあいだは
旅どころか、音楽からも、友人達との時間からも遠のいた年月で
子供と観るアニメやディズニー以外の映画を見る機会もほとんどなかった。
だいぶ子供が長して、家族ぐるみで応援していた或る作家の活動を手伝う以外は
午前帰り、早帰り、学校用事、習い事の送り迎えなどにすべてを合わせて過ごしてきた
濃密な数年間はそれはそれで幸せで楽しかった。
行きつ戻りつ、生長していく子供を待つ甲斐の希望があった。
自然をゆっくり愛でる旅とかではなくても
家族で過ごす時、や、賑やかな小さな旅は得がたかった。
それを、願い半ばのままで失った直後から
一気に、いたるところとのご縁とお誘いが訪れ、流れのままに
ずいぶんと大自然や神社仏閣、人知れぬ里などを歩いたこの一年だった。
ほとんどの移動が夜行バスだったから
すっかり乗りなれて支度もも手馴れたものになった。
仕事を終えてから夜中にバスで発ち、早朝、駅で洗面をして、
荷物を抱えて、山を上ったり、階段を飛び歩いたり・・・
体力も適応力も磨かれた。
・・・これらが、私にとっては、お遍路だったんだ。
そのおかげで、折れずに済んだ。
失ったものをおしみながらもここまで来れた、そのおかげで、いまがある。
生かされていることへの感謝。
人の世のからくり、天の慈悲・・・。
木々や、石や、空や風と、心から想いを通わせていただいて
どこにいても
だいじょうぶ
どこででも 幸せでいられると教えてもらった。
たくさんの出会いに、あたたかな力をいただいた。
動の一年に、しみじみと感謝して
それを、明日に繋ぎ、自分の中に軸を立てて生きていこう。