今日は上越市との境で国道から1.5キロほど山間の徳合集落の古民家で、ギターとニ胡の演奏会があるというので友人と出かけました。会場は築130年程の古民家の彦右衛門さんというお宅で、「枝垂れ櫻の里を世界一にする会」主催です。20年前から育てた枝垂れ桜が花を咲かせ、国交省の日本風景街道にも指定されている集落で、地元の人たちが総参加(?)でのおもてなしです。
3年前に空き家だった古民家を買い取り、東京から移り住んでいる ご夫婦は、昔は土間と馬屋だった場所に床を張り素敵なリビングとキッチンにリフォームです。演奏の始まる前に私は家の中をキョロキョロ・・・、欅の太い骨組みの間取りに亡き父の生家を重ねました。またリフォーム工事の状況をアルバム4冊にして<大工1名で工事に1年半、まだ未完成>と書かれて、現在に至るまでの様子が詳細にまとめられていました。
ギターと二胡のコラボ演奏が終わってから美味しいコーヒーをいただき、帰り際にご亭主に「どちらの大工さんですか?」とたずねると「それは私です」と言われるのでビックリです。そんなことでその後はリフォームのことで話しが弾み、大工仕事だけでなく塗装から家具、配管設備まですべてご自分で手がけたというので“素人”がここまで取り組めることにしばし驚きでした。そして「この地を選んだのは?」と伺うと、インターネットで調べて海に近い山里という条件に当てはまったからとのことで、よくぞ選んでくださったと嬉しくなりました。
集落をぐるっと歩くと20年前に各家に配られた枝垂れ桜の苗木は、今ではどこの家でも大きく成長し、咲き誇る深紅のミツバツツジとともに多くの人々を誘い和ませ、ホッとする原風景の山里になっていました。
そして会長さんの家は「櫻の宿」と名前が付いて、今では珍しい茅葺の屋根で、何年か前に滋賀県の方からトラック2台の茅を運んで葺いたそうです。写真の玄関先の枝垂れ桜はもう葉桜でしたが、裏の方の桜は満開で訪れる人たちをおもてなしでした。
※一昨日に書き込んだ能生谷の枝垂れ桜は、その大きさから比較して樹齢20数年ではなく40年位かもしれません。