すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

アフリカを救った日本人、大村智さんの偉業

2015年10月07日 | 日々思うこと

ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智氏の亡くなった妻の文子さんが糸魚川市出身ということで、今朝の糸魚川タイムス1面で驚かれた市民が多かったようですね。私もその一人ですが、掲載写真を見て「もしや?」と糸魚川高校の同窓会名簿を開くと、昭和33年卒業で5つ年上の旧姓秋山さんでした。何度も糸魚川へ来られ何だか身近に感じたので「大村さん」と・・・。文子さんとは1963年に結婚し当時、収入が少なかった家計を文子さんがそろばん塾などで支え、1976年に乳がんが発覚し2000年に他界されましたが、今お元気なら75歳です。

大村さんは当時、女子美術大学の理事長をされており同大学へ多額の寄付をし、「大村文子基金」として活用されてきました。「JOSHIBI」ホームページでは『理事長大村 智先生ご夫妻の多大なる寄附を基に、平成12年(2000年)に本学創立100周年を記念して、在校生、卒業生の美術活動の奨励を主な目的として設立しました。本校生には毎年、高校3年生2名、中学3年生1名に授与しています。』と・・・。

そして今夜のNHKクローズアップ現代に大村さんが生出演です。「大村智さんが語るノーベル賞受賞秘話」で、静岡県伊東市のゴルフ場の土から採取した微生物が、今回受賞となった寄生虫駆除のイベルメクチンの開発になった経緯などをスタジオで語られました。アフリカの数え切れない多くの人たちの命を救った治療薬イベルメクチン、ノーベル選考委員会から「人類への貢献は計り知れない」と高く評価され、アメリカの大手製薬会社との産学連携で生まれたことを知りました。

また番組で大村さんは人生の岐路となったのは、定時制高校教師の時に自分と年齢の変わらない生徒たちが昼間働きながら夜に学ぶ姿に心打たれ、自分も何かをしなければと異色の経歴を語られました。人の命を助けたかったという直向きな努力の積み重ねで、大学時代までスキーばかりやっていたので、研究ではずっと遅れている引け目があり、「努力 もうちょっと、もう一歩、もう一晩」と続けてきた研究がノーベル賞受賞になりました。

何よりもスゴイことは、特許を得て莫大な財産を手に入れることもできたはずでしたが、特許権を放棄して2億人以上に無償配布したその偉業で、毎年1回、WHO(世界保健機構)の指導で、アフリカ奥地の集落の代表者を通じてイベルメクチンは行き渡っているそうです。授賞式はストックホルムで12月10日に行われ、注目のノーベル平和賞の発表は9日(金)日本時間18時です。

写真は近所の通学路のコスモスで、種が飛んできて色とりどりの花が咲いて、大村さんご夫婦に捧げる思いです。大自然の土壌の微生物から、多くの人や動物の命を救った大村さん、亡き妻の文子さんがノーベル賞の受賞を一番喜んでいるのではと、番組を見ながらふとそんなことを感じる終日です。