↑これは、エニシダ。東京だとこの3月に出回っているのに、
鎌倉ではまだありません。ま、本来はもっと夏に近い花だから。
小さな黄色い花が、いっぱいさくんです。
地植えすると、みごとなほど育ってくれます。
若い頃のせつない思い出の花。(前出の元カレ)19歳か20歳の頃だったか
まだ、ダンナと知り合う前のことだから、時効ってことにしよ。
春から冬まじかまでは、東京にいて雪のシーズンになると
スキーのインストラクターに帰ってしまう人。
こんなにも人を好きになったことがないほど心の底から思ってた。
優しくて、楽しくて、話し上手で、すごく女性にモテる人だった。
車に乗っている時、ラジオからやさしさが溢れるような切ない曲が。
「この曲好きなんだけど、何ていう曲かわからないんだよね」と
私は、ラジオ局と時間を暗記して、翌日問い合わせてみたら
永井龍雲さんの「想い」という曲だった。
ドーナツ版とLP版のレコードを買い、これだよと渡した。
レコードはすぐに返してくれた。でも、彼は突然引っ越してしまった。
なんで、どこにいったの。その言葉ばかりがかけめぐっていた。
しばらくして、電話がかかってきた。「なぜ教えてくれなかったの」
「お前に言ったら、絶対に泣くだろ」私はなにも言えなかった。
(これで、さよならになるんだね。あっけない別れ)と思った。
数年後、私は仕事の事務所が移転したので、練馬にアパートを借りた。
どうして知っているのか、元カレから電話があった。
「今でも愛してるんだよ。今から行ってもいいか。場所教えてよ」と。
「そういわれても、えーと。多分迷うよ」
(不動産屋さんでも迷子になる複雑な場所だし、私も迷ったくらい。まいったな)
「誰かいるのか。なら、もういい」と電話を切られてしまった。
(なんだよ。道1本間違えただけで、行き止まりになるんだよ。
迎えにいくなんて面倒くさいことイヤだし。)
エニシダは私にとって、雪がとけて春になる思い出の花。
かすかにやさしく香る元気になれる花。ひまわりと同じくらい好きな花。
その彼も結婚して、子供もできて幸せそうでよかった。
私、何かいてるんだろう? ま、還暦すぎのばあちゃんのたわごと。